2019年8月20日(火)

ミツバチのSOS EU禁止の農薬、国内に影響は

(1/3ページ)
2014/2/18 7:00
保存
共有
印刷
その他

欧州連合(EU)は昨年12月、域内で3種類のネオニコチノイド系農薬の使用を禁止した。その理由に挙げられているのが、ミツバチの生態への影響の懸念だ。域内の研究者がミツバチの巣外での大量死はネオニコチノイド系農薬の影響とする論文を発表し、欧州委員会は「リスクを払拭できない」と禁止措置に踏み切った。さらに、年末にはEUの専門機関がヒトへの影響を指摘する見解も出した。使用規制が拡大すれば、ネオニコチノイド系農薬の成分を作る住友化学や日本曹達など国内メーカーに与える影響も大きくなる。環境変化に敏感とされるミツバチたち。国内では欧州のような変化は生じていないのか、養蜂家たちに実態を聞いた。

■気候変動が短命化の一因か

厳しくなる環境下で、養蜂家は群れの維持に注力する

厳しくなる環境下で、養蜂家は群れの維持に注力する

東京都養蜂組合の組合長を務める木村真実さんは祖父の代から養蜂業を引き継いできた。ミツバチを三重県や東京都内で越冬させて、採蜜の季節になると、長野県にミツバチを移動させて、養蜂を続けている。

40年近く養蜂をしてきて、最近、気づいている異変がミツバチの短命化だ。女王蜂の寿命が短くなってきていると感じている。「以前なら3~4年は持ったものの、いまは1~2年で倒れてしまう」。増殖のスピードも鈍くなった。弱体化するミツバチを相手に、毎夏500群をそろえるため、細心の注意を払っているという。

短命化の要因は何なのか。木村さんが大きな影響を受けているとみるのが、気候変動だ。「長野県も夏が暑くなりミツバチが巣から出ていかないこともある。巣の中の温度が上がりすぎて、蜜でなく水を運んで冷やしているほど」という。たびたびの集中豪雨で、花から蜜が流れ出てしまい、十分な量の蜜が確保できないこともある。長年の養蜂の常識が通用しない環境の変化に、ベテラン養蜂家も戸惑い気味だ。

■ダニの発生も大きな問題

7年前に東京都あきる野市で養蜂を始めた犬飼博さんも、ミツバチたちの体力の弱まりに頭を悩ませていた。「(養蜂を始めた)当初は7割のミツバチが越冬し、生き残ったが、最近は5割弱しか残らない」

ミツバチ減少の直接の要因はダニの発生だ。冬も暖かい日が多いと、ダニも冬を越してミツバチの巣箱の中で繁殖する。春になって孵化(ふか)した幼虫の体に取り付き、養分を吸い取ってしまう。比較的気温の高い東京から動かずに養蜂していることもあって、ダニの管理が犬飼さんの養蜂の最大のテーマだという。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。