2019年9月16日(月)

スパコン「京」で抗がん剤開発 初の商業利用
中外製薬など候補物質を探索

2012/2/16付
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中外製薬、興和、富士フイルムはそれぞれ、富士通や東京大学と組み、9月から世界最速のスーパーコンピューター「京」を使った抗がん剤の開発に着手する。分子構造などをもとに、計算によって多数の化学物質から有力候補を探し出す。探索期間を従来の10分の1の半年~1年に短縮でき、開発コストを減らせる。企業が京を商業利用する初のケースとなる。

計算速度世界一のスーパーコンピューター「京」(2011年11月、神戸市中央区)

計算速度世界一のスーパーコンピューター「京」(2011年11月、神戸市中央区)

スウェーデンのストックホルム大学とも連携して3月にソフトウエアの開発などに着手。9月から京の使用を開始する。3社は別々に、胃がんや大腸がんを狙い撃ちする新タイプの抗がん剤の候補物質を探索。来年3月までに有力候補を見つけ製品化を目指す計画だ。

従来、抗がん剤の有力候補を選ぶにはがん細胞などへの作用を試験管内で確かめており、手間と時間がかかっていた。スパコンを使う方法は、がん細胞だけが出す特殊なたんぱく質と候補物質の結合を計算で模擬実験し、結びつきやすい物質を探す。原子・分子レベルで物質の構造を設計するのにも役立てる。

計算量が膨大なため従来のスパコンは能力不足だったが、1秒あたり1京(京は1兆の1万倍)回超の計算性能を持つ京なら実用的という。臨床試験を含めても、新薬の開発期間を5年程度に抑えられる可能性がある。

京は理化学研究所と富士通が開発、9月に本格稼働する予定だ。製薬のほか電子部品の開発や車体の設計など幅広い産業用途が見込まれている。

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