2019年1月22日(火)

旭硝子など3社、撤退発表 鹿島コンビナートの塩ビ樹脂原料

2011/12/16付
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鹿島コンビナート(茨城県神栖市)に拠点を持つ化学大手5社は16日、水道管などに使う塩化ビニール樹脂の原料を生産する共同出資会社2社から旭硝子、カネカ、ADEKAの3社が撤退すると正式に発表した。塩ビ樹脂の国内需要の低迷が理由で、残る信越化学工業と三菱化学は生産を継続する。

化学各社の工場を配管でつなぎ製品をやり取りするコンビナートで、今回のような企業撤退による大がかりな再編は初めて。

旭硝子、カネカ、ADEKAの3社が出資を引き揚げるのは、基礎原料の塩素やカセイソーダを生産する「鹿島電解」と、中間原料の塩ビモノマー(VCM)を生産する「鹿島塩ビモノマー」。3社は保有株式を信越化学などに売却する方向で調整中だ。

信越化学は「国内塩ビ事業の規模縮小は考えていない」として年60万トンのVCMの生産能力を維持する方針。一方、三菱化学は今後の景気動向によってはVCMの原料となるエチレンを減産する方針で、信越化学と三菱化学の間で設備能力の削減が課題になりそうだ。

また、撤退する3社は鹿島電解が運営する港湾設備については引き続き利用する意向。今後、5社が出資する港湾事業会社をつくり、設備を移管することを検討する。

塩ビ樹脂は水道管をはじめとしたパイプや建材のほか、雑貨などにも使われる汎用樹脂。ただ公共事業の縮小などで国内需要は低迷しており、慢性的な供給過剰にある。VCMは11月に東ソーの南陽事業所(山口県周南市)で起きた火災事故で供給能力が大幅に減っているが「塩ビ樹脂の需給に引き締まり感はない」(信越化学)。

塩ビなど一部の汎用化学品は国内需要低迷に加え、今秋以降は中国向けの輸出需要が鈍化している。デジタル家電などに使われる高機能化学品の需要も減少。円高や震災をきっかけに中東や中国から割安の化学品が流入する傾向もある。

このため化学品の基礎原料のエチレンは、水島コンビナート(岡山県倉敷市)で三菱化学と旭化成が事業を統合するなどの動きが出ている。今後もコンビナート単位で生き残りをかけた再編が加速しそうだ。

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