相次ぐ通信障害、設備能力の不足深刻 KDDIにも行政指導
スマホ普及、データ量急増への対策急務

2012/2/15 21:12
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総務省は15日、KDDI(au)の両角寛文副社長を呼び、同社の携帯電話で相次いだ通信障害について、3月30日までに再発防止策を提出するよう行政指導した。NTTドコモに続いてKDDIでも頻発する通信障害。一連の障害の原因はバラバラだが、いまや携帯電話は社会の重要インフラとなっただけに、このままでは通信に対する信頼性が失墜しかねず、業界を挙げた対策が急務となっている。

KDDIは昨年4月から今年の2月にかけて計5回、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)のデータ通信が利用しにくいといった通信障害を起こした。うち3件は1月以降、相次いで起きた。

KDDIの一連の通信障害の原因は多くが設備故障だ。1月25日に携帯電話と固定回線で生じた障害では中継装置の基盤に障害が発生。予備設備は用意してあったが、自動切り替えが正常に機能しなかった。

今月11日のメール障害では設備点検で1系統で運用している際に障害が起きた。不運な面もあるが、結果的には予備設備があっても障害が起きてしまったわけでお粗末な印象がぬぐえない。

KDDIは14日、一連の通信障害を受け、田中孝司社長を委員長とする調査委員会を設置した。嶋谷吉治専務を副委員長に据え、技術部門が総力を挙げて設備の再点検と開発・設計・運用保守の体制の見直しなどに取り組む。その結果を3月末までに総務省に報告する予定だ。

通信業界ではスマホによる通信量増大という課題も抱えている。従来型携帯電話の10~20倍とデータ通信量が多いスマホの普及率はまだ2割程度。3年後には5割を超えるのが確実とされ、爆発する通信量をどう収容していくかで各社が頭を悩ます。

ドコモで多発した通信障害も主にスマホ急増に伴う設備能力不足が原因だった。最近は大規模な通信障害が少ないソフトバンクモバイルの孫正義社長も「人ごとではなく業界共通の悩み」と危機感を示す。

通信各社は通信混雑時に総量を規制する仕組みがあるため、スマホ急増ですぐに設備が停止するわけではない。ただ通信がなかなかつながらない状態が続き、やはり顧客の信用を失うことになりかねない。

川端達夫総務相は14日の定例会見で「メールを含む携帯電話、スマートフォンは社会の重要インフラ。電力に例えれば停電と同じだから極めて深刻な状態」と苦言を呈した。設備の増強や人材の育成はもちろん、ノウハウを各社で融通し合うなど信頼回復に向けて業界を挙げた対策が待ったなしの状況だ。

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