2019年7月18日(木)

日経地球環境技術賞の受賞概要

2013/10/17付
保存
共有
印刷
その他

第23回「日経地球環境技術賞」は、日本郵船が最優秀賞に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、アニマルパスウェイ研究会、群馬工業高等専門学校、東日本旅客鉄道(JR東日本)が優秀賞に決まった。概要を紹介する。

第23回日経地球環境技術賞・受賞一覧
▼最優秀賞
日本郵船空気の泡で海水との摩擦抵抗を減らして燃費を改善するシステムを運用
▼優秀賞
宇宙航空研究開発機構
(JAXA)
海面水温や水蒸気、海氷などを地球規模で観測する衛星を開発
アニマルパスウェイ研究会樹上で暮らす小動物を保護する歩道橋の研究開発・普及
群馬工業高等専門学校ため池の底の泥を回収・資源化する技術を確立
東日本旅客鉄道
(JR東日本)
地下駅で冷房設備の負荷を解析できるシミュレーションシステムを開発

【最優秀賞】

■日本郵船 船底に空気送り燃費性能を向上

日本郵船は船舶の底に空気を送ることで摩擦抵抗を減らし、運航の燃費性能を高める「空気潤滑システム」を開発、導入した。3隻の運航船で採用する。2012年に建造した「SOYO(双洋)」は、主力エンジンから燃焼用空気を流用できる新技術を取り入れる。二酸化炭素(CO2)を最大8%削減できる。

船は速度を2倍にすれば、船底の海水との抵抗が4倍になり燃料を大きく消費する。「空気潤滑システム」は、この摩擦を最小限に抑える。船底に吹き出し口を設け、空気を送り滑りをよくする。摩擦抵抗を減らす効果を最大限に高める一方で、空気を送り出す効率も引き上げた。

日本郵船、技術開発子会社のMTI(東京・千代田)、大島造船所(長崎県西海市)と一連の技術を共同研究した。

【優秀賞】

■JAXA 地球の水循環 観測衛星

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は第1期水循環変動観測衛星「しずく」を開発した。全地球規模で海面水温、海氷、土壌水分、水蒸気などを高精度、高頻度に観測する衛星だ。地球の気候変動や水の循環を解明する研究に役立てる狙いがある。

昨年打ち上げられ、同年8月には北極海を覆う海氷の面積が観測史上最小になったことを世界に先駆けて発表するなど成果をあげている。今年からは観測データをウェブサイトで一般向けに提供。天気予報や漁業にも貢献できる。

■アニマルパスウェイ研 樹上小動物守る歩道橋

アニマルパスウェイ研究会は、森林が道路で分断されてもリスやヤマネのような樹上性小動物が行き来できる歩道橋「アニマルパスウェイ」を実用化した。小動物が交通事故にあったり活動範囲が狭まったりして、絶滅の危険が高まっている問題の解決につながる。

同研究会は大成建設や清水建設など9法人・団体で組織。様々な形の歩道橋を設計して実験を重ねた。山梨県や栃木県、愛知県の5カ所に建設して高い効果を確認した。全国に数万カ所は必要とみて、普及を目指す。

■群馬高専 ため池の底、泥を資源に

群馬工業高等専門学校の青井透特命教授を代表とするグループは、ため池の底にたまった泥を回収し、資源化する工法を実用化した。水を抜かずに工事ができるのが特長。水生生物などに被害を与えないという。

多くの野鳥が観察され、生態系が豊かな同校内のため池で開発を進めた。底泥から発生するメタンなど温暖化ガスを抑制できるうえ、回収した土は培養土に資源化できる。NPO法人みずなみやNPO法人環境技術研究所とともに取り組んだ。

■JR東 地下鉄の冷房、負荷解析

JR東日本は地下にある駅舎の省エネルギー化につながる「地下駅空調負荷シミュレータ」を開発した。トンネル内からホームに出入りする空気を数値流体力学による解析や、地下トンネル内の環境測定で高精度に解析。冷房する空間をブロックに分け、ブロックごとにトンネルから流入する空気の影響を反映させる新たな計算モデルを考案した。

JR東日本は、鉄道事業のCO2排出量を30年度までに1990年度に比べ50%削減する目標を掲げる。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。