スパコン1位は中国製、日本勢は最高4位 演算性能
下期ランキング
米国の大学などで構成する「TOP500プロジェクト」は14日(米国時間)、2010年下期のスーパーコンピューターの演算性能ランキングを発表、中国のスパコンがトップに立った。中国の国防科学技術大学が開発した「天河1号A」で、中国勢の首位は初めて。日本勢ではNECと米ヒューレット・パッカードが東京工業大学に納入したスパコンの4位が最高だった。
天河1号Aは米インテルのMPU(超小型演算処理装置)に、米エヌビディアのGPU(画像処理チップ)を組み合わせて計算性能を高めた。演算性能は2.57ペタ(ペタは1000兆)フロップス(1秒当たりの浮動小数点演算回数)で、10年上期にトップだった米クレイ製のスパコンを5割程度上回った。
09年に稼働させたシステムを1年で入れ替え、国内スパコン関係者からは「ランキングの首位獲得に向けた中国政府の並々ならぬ執念を感じさせる」との声が出ている。
GPUをスパコンに応用すると、消費電力やコストを抑えつつ計算能力を高められる。3位(前回2位)の中国・深セン国立スパコンセンターの「星雲」、4位の東京工業大学の「TSUBAME2」も天河1号Aと同様、エヌビディア製GPUを採用した。
ただ11年以降には日米のメーカーが10ペタフロップス以上の新タイプのスパコンを相次ぎ稼動させる見通し。米IBMは11年に10ペタフロップスの「ブルーウォーター」を、12年には20ペタフロップスの「セコイア」を稼働予定。日本では富士通による「京」が12年6月に10ペタフロップス級の性能実現を目指している。