東電リストラ、5人の審判 危機回避に半歩

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2011/6/19付
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政府は14日、東京電力福島第1原子力発電所事故の損害賠償を支援する原子力損害賠償支援機構法案を閣議決定した。東電の命運を握る政府支援が実現に向けて前進したが、一息つけるわけではない。16日には東電の経営にメスを入れる政府の経営・財務調査委員会の初会合が開かれ、東電改革がスタートした。メンバーはDOWAホールディングス会長の吉川広和氏ら百戦錬磨の企業再建の経験者。東電の前には5人の"審判"が待ち構えている。

「法案はようやく動き出したが、まだ落ち着かない」。原子力損害賠償支援機構法案が閣議決定された14日、ある東電幹部はそわそわしていた。「兆円単位」の賠償を背負う東電にとって一安心できるはず。にもかかわらず、社内外で「第三者委員会」とも呼ばれる経営・財務調査委員会が今週、いよいよ本格始動するからだ。

委員会の最大の役割は徹底的なリストラによる賠償資金の捻出。東電は資産売却で6千億円以上、2011年度に5千億円以上のコスト削減を打ち出しているが、さらなる上積みを求められることは確実だ。その経営の行方を握るのは、第三者委員会の5人の委員だ。

再生のプロ集結

委員長には企業財務や資産査定に明るい「企業再生のプロ」の下河辺和彦弁護士が就任。NHKやライブドアの調査委員会の委員を務め、企業を外部からチェックする経験も豊富だ。脇を固める実力者の筆頭は、JR東海会長の葛西敬之氏。旧国鉄では「改革三人組」の1人。安倍晋三元首相を囲む勉強会「四季の会」の縁で東電会長の勝俣恒久氏とも旧知の仲だ。

あえてキーマンを1人挙げるとすれば、DOWAの吉川氏だ。その発言は率直だ。

「東電は実質的に破綻した会社と考えて、すべてのステークホルダーが応分の負担をすべきだ」

委員会メンバーに決まった5月下旬。吉川氏には、電力業界側とみられる関係者から「ご説明の申し出」など急接近があったが、考え方の軸は少しもぶれていなかった。

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