グリー、2四半期連続の最終減益 DeNAと明暗
交流ゲーム大手のグリーが14日に発表した2012年7~9月期連結決算は、純利益が前年同期比4%減の90億円だった。減益は08年の上場以来初めて。アイテム商法「コンプガチャ」問題に伴う規制を受け、新作投入が遅れたうえ、海外事業の投資負担も重かった。規制対応が早く、増益を維持するライバルのディー・エヌ・エー(DeNA)に比べ出遅れが目立つ。
売上高は25%増の379億円。前期に買収で子会社化した米ゲーム大手「ファンジオ」が寄与した。ただ、営業利益は157億円と5%減少。交流ゲームは利用者に飽きられるのが早いため新作を投入し続ける必要があるが、課金システムの変更など規制対応に手間取って投入が遅れた。欧米など海外向けのゲームを開発するため技術者の採用を積極化しており、人件費も膨らんだ。
DeNAも規制で課金システムの変更を迫られたが、迅速な対応で悪影響を抑えた。「ガンダム」など有名コンテンツを題材にしたゲームの好調も寄与し、7~9月期の連結純利益は117億円と前年同期比70%増え、グリーと明暗を分けた。
交流ゲーム会社は業績が短期的に変動しやすいため、直前四半期比の増減が注目される。グリーの7~9月期の純利益は4~6月期比で26%減った。直前の四半期と比べて減益になるのは2四半期連続。一方、DeNAの純利益は17%増えた。
グリーは巻き返しを狙って新作投入のペースを早めている。「月次売上高は7月を底に緩やかな回復基調に転じた。海外の費用も今後はバランスを取る」(田中良和社長)。10月末に有力ゲーム会社「ポケラボ」(東京・港)を138億円で買収すると発表。10~12月期から収益寄与が始まる予定という。