PHS再建、いばらの道 ウィルコム更生計画案提出

2010/10/14付
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会社更生手続き中のPHS会社ウィルコムは14日、東京地裁に更生計画案を提出した。更生会社の社長にはソフトバンク取締役で、ソフトバンクモバイル副社長兼最高執行責任者(COO)の宮内謙氏(60)が就くと正式発表した。ソフトバンクの100%子会社として支援を受けながら金融機関やリース会社に対する約410億円の債務を今後6年間で均等弁済していく。だが技術的進歩の乏しいPHS事業の立て直しは不透明だ。

加入者同士の通話が24時間無料になるウィルコムのPHSは、中高生などの若者を中心に根強い人気がある。ソフトバンクが今回、全面支援に回ったことで利用者は今後も継続してPHSを使えるようになった。

「グループ会社となる以上は初年度から黒字化を狙う」(ソフトバンク幹部)ため、PHSをソフトバンクショップで併売することも検討しているが、「携帯電話と競合してしまうので扱いが難しい」との見方もある。ただ加入者の純減は16カ月間も続いており、対策は待ったなしだ。

「これだけは勘弁してほしい」。5月には、毎月定額料を支払えばウィルコムの加入者同士だけでなく、他社の携帯電話や固定電話とも通話し放題になる「だれとでも定額」を全国展開する案も浮上したが頓挫した。他社を含めた完全定額は世界初の画期的なサービスだが、一時的に加入者が増加しても採算割れが濃厚。ウィルコムから相談を受けたソフトバンク幹部は二次破綻を懸念して見送りを諭したという。

再建が難しい根本的な要因は、PHSの進化が止まっているため。次々と新しい技術が登場する携帯電話に対し、新技術の開発がほとんど進んでいないPHSが劣るのは明らか。低電磁波・低消費電力などの特長を生かした医療機関向けのサービスなどでニーズは残るが、縮小の流れを変えるのは簡単ではない。

一方でソフトバンクは高速データ通信を実現する次世代PHS(XGP)事業もウィルコムから譲り受ける。高速データ通信はソフトバンクが苦手とする分野で相乗効果を期待できる。PHS基地局の一部は携帯電話の基地局に置き換えて通話品質の向上に役立てる予定で、「狙いは(XGPの)周波数と基地局用地の獲得」(競合他社)とみる向きが多い。

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