2019年8月17日(土)

東電、10年間で海外投資1兆円 米中印で発電事業
長期ビジョン発表、ウラン・LNGなど資源獲得に力

2010/9/13付
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東京電力は13日、2020年度までの10年間で海外事業に最大1兆円投資することなどを柱とした中期経営計画「2020ビジョン」を発表した。国内の電力需要が伸び悩むなか、原発など海外事業を拡大する。東電が海外シフトを鮮明にしたことで、政府が新成長戦略に掲げる官民一体のインフラ輸出に弾みがつく可能性もある。

同社の海外発電事業への投資額は累計で1千億円程度だった。今後は米国やベトナムの原発のほか、中国、インドなど新興国の火力発電、欧州の風力発電、燃料のウランや液化天然ガス(LNG)の権益取得などに8千億~1兆円を投じる。

09年度の海外事業売上高は151億円、営業損益は23億円の赤字だった。20年度には現在353万キロワットの海外発電事業の出力(持ち分ベース)を約3倍の1千万キロワットに増やし、800億円の経常利益を稼ぐ計画だ。

世界的に資源獲得競争が激しくなっていることを受け、輸入している燃料の自社権益比率を高める。ウランは8%から最大50%へ、LNGは11%から33%程度に増やす。

一方、国内では原発の新増設やスマートグリッド(次世代送電網)の構築など、二酸化炭素の排出を抑制する分野に2兆5000億円を投じる。石油など化石燃料を使わない発電量の割合を09年度の33%から、20年度に50%以上へ引き上げる。

産業・業務用でのオール電化によって、年間販売電力量の約1割に相当する300億キロワット時の新規需要を開拓する。太陽光発電の普及に備え、配電網の刷新も進める。国内の設備投資額は08年度までの数年間、6000億円以下に抑えてきたが今後は増やす方針だ。

東電をはじめとする電力会社の海外事業は火力発電所の権益取得などリスクの低い事業が中心だった。しかし近年は新興国でのエネルギー需要が高まり、原発商談などでは運転ノウハウを持つ電力会社に事業参画を求める声が、政府や機器メーカーなどから出ていた。

東電の清水正孝社長は13日の記者会見で「社会的貢献の追求と企業収益を両立させる」と述べ、政府が進めるインフラ輸出に協力しながら収益拡大を目指す方針を強調した。

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