2017年11月23日(木)

レーザーやGPSが運転支援 自動車大手、高齢者に優しい車に注力
運転者の過信と責任問題も焦点に

コラム(ビジネス)
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2012/2/14 7:00
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 高速道路に乗ったら、自動運転モードに切り替えて車窓を眺めながらコーヒータイムを楽しむ―――。人々が求めていた車の自動運転が現実味を帯びてきた。この新技術の開発を後押しするのは、高齢化による判断の遅れ・動作の衰えを補うための「運転支援」という切実な問題で、自動車メーカーや自治体、役所が積極的に動き出している。ただ、部分的にでも自動化が進むと、社会が直面するのが「自動車は誰が運転するのか」という根本問題だろう。自動技術はそれに頼るドライバーの過信、事故が起きた時の責任の所在という重い課題を併せ持つ。

トヨタ自動車はセンサー類をボディに埋め込み目立たなくしている(昨年12月の東京モーターショーでのデモ)

トヨタ自動車はセンサー類をボディに埋め込み目立たなくしている(昨年12月の東京モーターショーでのデモ)

 昨年12月の東京モーターショーで、自動運転の大規模なデモ走行が行われた。参加したのはトヨタ自動車、日本自動車研究所、東京農工大、金沢大、慶応大の各車。高性能のレーザーレンジファインダーや、全地球測位システム(GPS)などを搭載、それぞれ障害物を避けたり、自動でブレーキをかけたり。来場者も同乗し、自動運転を体感した。

 派手なデモの傍らで2つのパネルディスカッションが行われた。国土交通省の幹部や大学教授らが出席した「自動車安全シンポジウム」の議論の焦点は「運転支援が発達すると、『いざという時は、システムが事故を防いでくれる』と運転者が過信してしまわないか」という安全のあり方だった。

 もう1つのグーグルやビー・エム・ダブリューグループジャパンの幹部、高度道路交通システム(ITS)ジャパン首脳らが発言した国際シンポでは、「自動運転時に事故が起きたら、責任は誰が負うのか。人間か機械か。はたまたメーカーか行政か」という問題が集中的に議論された。

 運転支援技術は、車庫入れがしやすいように後方を映すカメラから、危険を察知して運転者に知らせる警報、ブレーキとアクセルの踏み間違いの防止、衝突を避ける緊急ブレーキなど様々ある。

自動車安全シンポジウムのパネルディスカッションのテーマは「歩行者の被害を減らすために」(昨年12月の東京モーターショー)

自動車安全シンポジウムのパネルディスカッションのテーマは「歩行者の被害を減らすために」(昨年12月の東京モーターショー)

 技術進歩により自動運転は、衝突時の被害軽減から、衝突そのものを回避する段階に進んでいる。いわゆるぶつからない究極の安全なクルマだ。まず警報を発するが、最後は人の操作を介さずに、コンピューターの判断でクルマを止める、あるいはハンドルを切る。

 このレベルまで来ると、自動運転の一部となる。そこで国交省などが懸念するのは、「ドライバーが予防安全技術に頼り過ぎて、安全確認を怠ったり、運転能力を超えた運転をしたりしないか」という問題だ。システムが高性能になるほど「いざとなれば勝手にクルマが止まってくれる」と、「リスクハザードになる」というわけだ。安全のための運転支援技術が逆に危険を招いては元も子もない。

■ドライバー主権崩れる

 自動運転は、「ドライバーの言うとおりにクルマが動く」というドライバー主権の大原則を突き崩すもの。そこからは過信の問題にとどまらず、事故が起きた時の責任論が浮上する。

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