クラウドと融合する高速ゲノム解読
編集委員 永田好生

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2010/10/15 7:00
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こうした状況を受けて、高速ゲノム解読の受託や塩基データの解析などのサービスを事業化する動きが出てきた。

高速ゲノム解読に関連するサービス例
企業・組織名サービスの概要
タカラバイオ第2世代の3大メーカーの装置を「ドラゴンジェノミクスセンター」(三重県四日市市)に導入。全配列の解読や変位の解析など多様なサービスで先行
日立ソリューションズ塩基配列に潜む情報の探索
北海道システム・サイエンス2社の第2世代装置を導入
理化学研究所理科研、ダナフォームの2社を窓口に受託解析開始
国立遺伝学研究所配列情報の解析ソフトを10年度中にもネットで提供

遺伝子解析の老舗、タカラバイオは2008年から高速解読への対応を本格化した。高速化によってサイズの小さい細菌の場合なら最低で45万円の料金で、約1カ月の短期間にゲノムを解読できる。1990年以降、国際コンソーシアムで13年の年月と30億ドルの資金を投じたヒトゲノムの解読時代からは隔世の感がある。

日立ソリューションズ(旧日立ソフトウェアエンジニアリング)も塩基配列の解析を受託するサービスを開始した。膨大な情報を記録したディスクを受け取り、解析結果を送り返す。ここ2~3年間に年30億~40億円の市場に育つと展望する。いずれはインターネットを活用してクラウドでサービスを提供する考えだ。

高速ゲノム解読の研究は、論文数でみると9割以上ががんの分野に集中している(理研調べ)。配列の異常からがんの原因を突き止め、それを診断や治療に生かす研究はますます盛んになるだろう。優れた品種の開発など農水産関連でも、ゲノム解読は今後、一層重要性を増す。配列データに眠る宝をいかに早く見つけだし、応用への道筋を開くかが焦点になる。

中国は今年、深センに作ったゲノム研究所に第2世代の解読装置を128台導入し、800人の人員を配してゲノム解読に打って出る策を打ち出した。米英の解読拠点も強化が進む。高速ゲノム解読のレースに乗り遅れてはいけない。

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