フォルクスワーゲンがこだわる「異形」の超低燃費車

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2011/2/15 7:00
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「1リッターカー」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。日本では排気量1000cc前後の小型車のことをさす「リッターカー」がおなじみだが、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が1990年代から開発を続けるのは、徹底的に燃費性能を追求した「異形」のクルマだ。

中東の産油国カタールは、オイルマネーで潤った富裕層が「超」の付く高級車を購入する自動車市場。1月下旬、ドーハで開かれた自動車ショーでVWが発表したのは、現地でありがたがられているクルマとは無縁の燃費性能に「超」が付くプラグインハイブリッド車(PHV)のコンセプト車「XL1」だ。

葉巻のようなシルバーの車体は2人乗りで、左右のドアは上方に羽のように開く。VWの高性能ディーゼルエンジン「TDI」とリチウムイオン電池を搭載し、炭素繊維強化プラスチックを用いて軽量化。車高はF1マシンのように低い。

いかにもコンセプト車というクルマだが、VWのフェルディナント・ピエヒ監査役会長が米専門紙で「2013年から量産前の段階の生産に入る」と表明したものだから欧州の自動車業界は「本気でやるのか」と驚きの声で受け止めている。

そもそも日本と欧州では燃費の表現が異なる。日本では燃費性能を1リットルあたりの走行距離で「リッター20キロメートル」などというが、欧州では「100キロメートルを何リットルで走るか」というのが一般的だ。VWの1リッターカーは日本でいえば「リッター100キロメートル」。「XL1」は0.9リットルのディーゼル燃料で100キロメートルを走るというから「リッター111キロメートル」という計算だ。

欧州の業界関係者を驚かせたピエヒ氏は、VWの「ビートル」を開発し、ポルシェの礎を築いたフェルディナント・ポルシェ博士の孫。アウディ、VWの社長を歴任したこのエンジニア経営者が、長年にわたってこだわってきたのが、この1リッターカーなのだ。

ピエヒ氏は2002年の株主総会でVWの社長職を退いたが、その記念すべき総会に、本社のあるウォルフスブルクからハンブルクの総会の会場まで、新開発の「初代」にあたる1リッターカーを運転してやってきた。

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