2019年9月23日(月)

三菱自動車、東南アジア軸に成長 2000億円公募増資へ

2013/9/12付
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三菱自動車の経営再建問題が大詰めを迎えた。2013年度内に2000億円規模の公募増資を実施、10年来の懸案だった優先株の大半を消却することが12日までに固まった。近く関係方面と最終調整に入る。タイ、インドネシア、フィリピンを中心に積極的に投資し、東南アジアに軸足を置いた成長戦略も進める計画だ。

優先株は配当を優先的に受けられる一方で、経営への関与を制限した株式。主に経営再建企業が活用することが多い。

三菱自は00年と04年のリコール(回収・無償修理)問題などで経営不振に陥り、計6000億円(現在は3800億円)相当の優先株を三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行などグループ各社に発行。経営支援を受けていた。

今回、増資に踏み切るのには理由がある。優先株は全部転換すると大株主3社の保有比率は6割を超える。回避するには買い入れ消却が必要だが金融機関からの借り入れや社債発行で資金調達すると優先株を消却した際に資本金が減少し、単独ベースで債務超過に陥る可能性があるためだ。

優先株を消却した結果過小資本に陥っては元も子もない。今の三菱自には資金調達と資本増強を同時に可能なスキームが必要で、それを満たすのが公募増資だった。

三菱自は11月初旬にも14~16年度の中期経営計画を発表する。そこに盛り込む成長戦略をもとに国内外の投資家から資金を集めることになる。12月には臨時株主総会を開き、発行可能な株式数を拡大。年明けにも公募増資を実施する段取りとみられる。

三菱自が中計で成長の軸に据えるのは東南アジア。12年度の世界生産は約112万2000台で、うちアジアは53万5000台に達している。5割超えは近い。

増資で得た資金の一部は新たな設備投資に充て、タイ新工場での新型セダン「アトラージュ」の生産に続き、インドネシアとフィリピンにも新工場を建設してSUV(多目的スポーツ車)などを投入する。それぞれ10万~20万台程度、生産規模を上積みする。

ただ、東南アジアも景気減速リスクに加え韓国・現代自動車などライバル企業との競争も激化。BNPパリバ証券の杉本浩一シニアアナリストは「かつての『パジェロ』のように会社の看板や利益の核となる新たな技術や車が必要。次の3年でそれが見えてこないと厳しい」と指摘する。

12日の三菱自の株価は増資による1株利益の希薄化を嫌気し、前日比8%安い1028円まで下げた。

株価が回復するかどうかは新しい成長戦略の中身次第。国内外メーカーとの提携戦略を早期に具体化させるためにも、成長戦略を通じ自動車事業の基盤をどこまで強化できるかが焦点になる。

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