ソニー「脱テレビ」へ集中投資 モバイルやゲーム
15年3月期、売上高8.5兆円めざす

2012/4/12付
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ソニーは12日、2015年3月期に連結売上高8兆5000億円、営業利益率5%以上を目指すことなどを盛り込んだ中期計画を発表した。同社は12年3月期に過去最悪となる5200億円の連結最終赤字を計上する。経営悪化の原因となったテレビ事業の止血を急ぐ一方、ゲームとモバイルなど3事業を新たに中核事業と位置づけ、開発投資の7割を集中する方針。「脱テレビ」の経営に大きくカジを切るかどうかが今後の焦点になる。

1万人削減を正式発表するソニーの平井社長兼CEO

1万人削減を正式発表するソニーの平井社長兼CEO

東京都港区の本社で、4月1日に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した平井一夫氏ら新経営陣が計画を発表した。事業譲渡やグループ企業の人員削減を合わせ、13年3月期に約1万人を減らすことも正式に表明した。750億円の構造改革費用を同期に計上する。1万人のうち3~4割は国内の人員が対象になる見通しだ。

平井氏が新たに中核事業と位置づけたのは、デジタルカメラや放送機器などの「デジタルイメージング」、家庭用ゲーム機など「ゲーム」、高機能携帯電話(スマートフォン)やパソコンなど「モバイル」の3つ。「研究開発費の約70%を3つの領域に投じていく」としている。

テレビを含むソニーのエレクトロニクス事業の営業損益は11年4~12月期までで約1900億円の赤字となった。15年3月期にはこれを3000億円の黒字にまで回復させ、そのうち「85%を(3事業で)創出する」(平井氏)考え。

経営の効率化に向け、事業の選択と集中も進める。東芝、日立製作所と事業を統合した中小型液晶事業や、日本政策投資銀行への事業譲渡に向けて交渉中の化学事業に加え、「電気自動車・蓄電用の電池事業でも他社との提携を検討する」。

ソニーはハワード・ストリンガー前CEOが就任した05年6月以降、同様の説明会を3回開催。そのすべてで「営業利益率5%」を目標に掲げたが、これまで一度も達成できていない。市場関係者の間では「何度も失敗に終わった(5%の)目標に対する道筋が今回も明確になったとはいえない」(機関投資家)との厳しい声もある。

平井氏はこの点について、「どれだけ準備を重ねても実績が伴ってはじめて意味がある。痛みを臆さずに変革を進める」と強調した。

ただ、前期まで8期連続で営業赤字となったテレビ事業については、「14年3月期の黒字化を目指す」とする従来計画を繰り返すにとどめた。昨年末に発表した韓国サムスン電子との液晶合弁事業の解消に合わせ、パネル調達費の圧縮やモデル数の削減などを従来通り、進める方針だ。

ソニーは昨年11月、「年間4000万台」としていたテレビの中期販売目標を12年3月期見込みで2000万台に大きく下方修正した。平井氏は今のところ、エレクトロニクス事業全体に占めるテレビの売上比率は「今後も著しく変化することはない」と強調。次世代ディスプレーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を使ったテレビの商品開発についても「他社との協業の検討も視野に入れ商品化する」とした。

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