2018年11月13日(火)

ヤマハ発、マリン事業が稼ぎ頭 二輪車ノウハウ生かす

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2013/9/17 7:00
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ヤマハ発動機の船外機(小型船舶向けの外付けエンジン)やボートなどの「マリン事業」の収益力が急回復している。同事業の2013年12月期の営業利益は過去最高を更新する見込みだ。主力の二輪車事業に比べ、売上高は5分の1程度にもかかわらず、営業利益は2倍近くに上る。主力の米国市場で販売が伸びていることに加え、リーマン・ショック後の生産体制の再編といった構造改革の効果が出ている格好だ。稼ぎ頭のマリン事業の好調の秘密に迫った。

マリン事業を受け持つ木村隆昭専務執行役員は「リーマン・ショック以降、ものすごいコストダウンに取り組んだ」と明かす

マリン事業を受け持つ木村隆昭専務執行役員は「リーマン・ショック以降、ものすごいコストダウンに取り組んだ」と明かす

「業界初となる累計生産台数1000万台を達成しました」。4月上旬にヤマハ発動機が袋井南工場(静岡県袋井市)で開いた船外機の累計生産台数1000万台突破の記念式典。マリン事業を受け持つ木村隆昭代表取締役専務執行役員は晴れやかな表情で語った。

同社のマリン事業の13年12月期の売上高は前期比17%(337億円)増の2300億円、営業利益は約2.7倍の290億円をそれぞれ見込む。営業利益は過去最高を更新する見込みだ。13年12月期の二輪車事業は売上高1兆円に対し、営業利益は160億円の見込み。マリン事業は二輪車事業と比べ、規模は約5分の1ながら、約2倍の営業利益を稼ぎ出す。

マリン事業の柱が売上高の7割を占める船外機だ。世界シェアで約4割(台数ベース、同社推定)を握り、首位に立つ。次に大きいのが水上オートバイなどのウオータービークル。マリン事業の売上高の2割を占め、こちらも世界シェアは約4割(同)とトップ級。残りの1割をボートや漁船などの船艇が占める。

マリン事業の中でも一品生産の色合いが濃いボートなどに比べ、工場で大量生産する船外機は規模のメリットが働きやすく、利益率が高い。船外機の好不調がマリン事業を左右するといっても過言ではない。

マリン事業の好調な業績には大きく分けて、3つの要因がある。1つが主力市場である米国での伸びだ。米国では景気の回復基調により、船外機の出荷台数は1~6月の累計で前年同期比4%増となった。市場の堅調さに加え、新製品投入効果で船外機のほか、クルージングや釣りなどに使用するプレジャーボートの売れ行きが伸びている。

2つ目が構造改革の成果だ。顧客に富裕層が多いマリン事業は、リーマン・ショックの影響で需要が激減。09年12月期の売上高は1501億円と、その2年前の07年12月期(2899億円)に比べほぼ半減し、243億円の営業赤字に陥った。強い危機感を背景に「リーマン・ショック以降、ものすごいコストダウンに取り組んだ」と木村専務は明かす。

代表例が10年12月期から本格化した国内の生産体制再編だ。それ以前は基本的に、部品加工から最終の組み立てまで、船外機と二輪車は別々の工場が担当していた。だが、「マリンも二輪もおおもとのエンジン技術は同じ」(柳弘之社長)。部品加工は船外機も二輪車用エンジンも同じ工場でできるように、一本化を進める。

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