2019年5月21日(火)

日本版「ムーク」来春始動 大学講義を無料ネット配信

2013/10/11付
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大学講義を無料でネット配信する「MOOC(ムーク、大規模公開オンライン講座)」と呼ばれるサービスが日本で2014年春に始まる。放送大学や東京大学、NTTドコモなどの産学が連携し、11日に推進組織を設けた。米国生まれのムークは英語圏や新興国で新たな学び方として急速に広がっている。日本版は国内の大学教育に変革をもたらす可能性がある。

日本版ムークの推進主体は「日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)」。理事長に放送大学学園の白井克彦理事長が就いた。

ムークではインターネットを通じて誰でも履修登録ができ、大学の講義動画を家庭のパソコンなどで見られる。宿題やテストもあり、成績基準を満たした履修者は講義ごとの修了証を受け取れる。最大手の米コーセラ(カリフォルニア州)は世界の有力大学約90校の約460講義をそろえ、世界に500万人を超える利用登録者を抱える。

JMOOCには産業界からドコモ、富士通、住友商事、教育サービスのネットラーニング(東京・新宿)が理事に連なる。

白井理事長は記者会見で「質の高い学習教材を誰でも利用できるようにする」と述べ、原則無料の講義配信で人々の学ぶ機会を広げる考えを表明。福原美三事務局長(明治大特任教授)は「100万人の利用者を集めることも不可能ではない」と意気込みを語った。14年度は東大、京大を含む少なくとも13校の講義1つずつを配信する。

参加企業は無償で協力するが、中期的に教育関連事業を伸ばす足がかりにする考え。ドコモは講義コンテンツの配信サイトの構築・運用などを計画する。ムークの取り組みを通じてオンライン教育の事業ノウハウを磨き、予備校など教育産業向け事業を拡大する。

富士通は教材や講義記録の管理などに使う大学向け授業支援システムを手掛けており、青山学院大などに納入実績がある。こうしたシステムをムークに対応させ、大学のムーク参加を支援するサービスなどを検討する。

日本版ムークは大学に新たな競争を引き起こす可能性がある。公開する講義の内容や質の評価が高い大学に、優秀な学生が流れるといった事態も想定されるためだ。

ムークの修了証は正規の大学の単位とは異なるが、海外では採用の際に考慮する企業も増えている。

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