2018年7月18日(水)

研究室は「中小企業」に 近畿大が進める新たな産学連携

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2012/7/17 7:10
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 中小企業の一大集積地である東部大阪地域で、新たな産学連携の仕組みが根付き始めた。舞台は近畿大学大学院に置かれた「東大阪モノづくり専攻」。院生は大学で理論を学びながら、研究テーマに関連する業種の中小企業で実際の研究開発に携わり、給与も得る。大学との関係強化を狙う中小と実践的な研究環境を求める学生を結びつける取り組みだが、修了者の約半数がそのままその中小に勤務するなど、成果も上がってきた。

レザック社内でレーザー加工機の調整をする今井翼さん(手前)

レザック社内でレーザー加工機の調整をする今井翼さん(手前)

 今年、東大阪モノづくり専攻に入学した今井翼さん(22)が「研究室」を置くのはレーザー加工機製造のレザック(大阪府八尾市)だ。研究テーマとして掲げる「レーザー加工機の高機能化」に取り組むため、入学と同時にレザックに「入社」した。

 原則、月~木曜日はレザックに勤務し、金~土曜日に大学で講義や実験、教官の指導を受ける。専攻長の中野人志教授は「インターンシップの短期体験型とは違い、長期実践型の人材育成を目指す」と狙いを語る。

 今井さんも「大学での講義に加え、現場でのものづくりを通じて幅広い分野の専門知識を吸収できる」と同専攻の利点を説明。「生活費が確保できるのも魅力」と笑いながら付け加えた。

 レザックでは同専攻の開設以来、学生を受け入れている。2005年に同専攻に入学した村松博則さん(31)もその1人だ。大学院修了後、そのままレザックに勤務しており、現在は近大との連携のパイプ役を果たしつつ、加工機の新製品開発に携わっている。

 レザックの柳本忠二代表取締役が狙ったのは近大との産学連携による開発力強化。だが、実際に院生の受け入れを続けたことで「学内での当社の知名度向上につながり、近大の理工系の学卒者をうちのような中小でも毎年、採用できるようになった」。人材確保という効果も上がっている。

 近大が「教育の産学連携」と銘打って、東大阪モノづくり専攻を開設したのは04年。即戦力となる人材の育成を目指して、同大学院総合理工学研究科が設置した。キャンパスがある東部大阪地域は大阪府東大阪市を中心に幅広い事業分野の中小が立地しており、学生の研究に関し実践の場が周辺に広がっていることに目をつけた。

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