次世代都市、省エネ総力戦
ダイキン、空調含めビル全体節電 安川電機、インドで省電力用部品

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2011/11/15 13:00
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世界のインフラ(社会資本)市場では新興国で膨張する巨大都市を機能させる「スマートシティ」事業が最大の成長分野となる。10月末に70億人を突破した世界の人口は2030年に83億人に増えると予想され、都市化に伴う深刻な課題を解決する技術が重要になるからだ。今後20年に4000兆円近いという巨大市場で、日本企業は省エネや環境など強みの技術で商機をつかめるのか。現場から報告する。

中国・河北省唐山市の曹妃甸(そうひでん)。渤海湾に面した地区で、20年に80万人都市をめざす「曹妃甸エコシティ」の開発が進む。6000億円以上の事業費が見込まれる。多摩ニュータウン5つ分に相当する150平方キロメートルの更地で道路や住宅の整備が進む。

構想は壮大だ。(1)再生可能エネルギーの使用率95%(2)雨水、汚水の再生水の利用率50%以上(3)バス中心の輸送網構築で自家用車比率は10%(4)食品残さなどの有機ごみは排出ゼロ――などを掲げている。

ここは「日本の技術力を世界に見せるショーケース」(福地学・野村総合研究所上席コンサルタント)になる。日本企業が「日中エココミュニティー」と名付けられた街区(約5平方キロメートル)を開発するからだ。唐山市と提携した野村総研が参画企業を募り、来春にも計画を提案する。

同街区では地熱や潮の満ち引きを発電に利用したり、室内の照明などをセンサーなどで自動調整したりすることも検討されている。日本企業主導で更地から立ち上げる初の大型案件となりそうなだけに、成功させれば、大きな弾みがつく。

日経BPクリーンテック研究所の予想では、スマートシティの市場は30年までの累計で約3880兆円。同研究所は世界各地の約170カ所のプロジェクトの投資計画などを精査し、市場規模を推計した。中国は1079兆円と世界最大の市場とされ、インドやアフリカなどの新興国が同市場の成長をけん引する。

日本企業では野村総研のほか、日立製作所東芝などが大型プロジェクトの受注に動いている。発電設備、水処理や鉄道・交通など必要な次世代技術は日本に数多くあり、それをとりまとめて売り込もうとしている。

とりわけ、新興国の巨大都市で深刻な課題は電力だ。OECD(経済協力開発機構)の見通しによれば、世界の電力消費量は35年に30兆キロワット時を超え、08年比で8割も増える。発電設備の建設が遅れれば、慢性的な電力不足で都市が機能せず、電力料金も上昇して成長の足かせにもなる。それゆえ、スマートシティでは蓄電池のような製品だけでなく、幅広い省エネ技術が必要になる。まさに日本企業が強さを発揮できる分野だ。

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