NHK会長「13年度予算は黒字目指す」
NHKの松本正之会長は10日の記者会見で、通常国会に提出する2013年度予算案について「収支均衡にして(若干の)黒字が出るようにしたい」と述べた。NHKの経営計画では昨秋実施した受信料引き下げなどの影響で13年度に赤字に転落する見通しだったが、松本会長は「増収や経費削減(の計画)を前倒しする」と述べ、赤字回避を目指す考えを示した。
松本会長は増収策について「(14年度までの3年間で810億円の増収を目指す)『プロジェクト810』を充実したい」と強調。衛星放送を受信するための衛星契約を増やすなどの営業強化に意欲を示した。
NHKが開発している超高精細の次世代テレビ「スーパーハイビジョン(SHV)」に関しては「16年のブラジル・リオデジャネイロ五輪で実用化試験放送を開始する検討を進める」と述べた。
ソニーやシャープなどが商品化する現行テレビの約4倍の高解像度がある「4K」テレビについては「8KというSHVが最高のものであって、その手前に4Kがあるという位置付けを踏まえて、ステップを考えるのがよい」と語り、SHVの普及に軸足を置く考えをにじませた。