2019年2月23日(土)

バイオエタノール「第2世代」元年 世界のVB、脱食糧原料へ

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2012/5/14 7:00
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バイオマス(生物資源)エネルギーの世界が、新たな局面を迎えようとしている。主役は自動車燃料への利用が期待されるバイオエタノール。今年中に、麦わらなど食糧以外の原料を使う"第2世代"の量産試験が各国で一斉に始まるのだ。米政府の関心も高く、第2世代の消費量が10年後に食糧原料の第1世代を超える中期構想を描く。低コストの量産技術など本格普及へのハードルはなお高いが、「食糧かエネルギーか」の二者択一の悩みから脱する可能性が出てくる。

ポプラの木なども「第2世代」の原料に(ジーケム社提供)

ポプラの木なども「第2世代」の原料に(ジーケム社提供)

英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、英BP、米デュポン――。先行する穀物メジャーに続き、オイルメジャーや化学大手などがここ数年、第2世代バイオエタノールを手掛けるベンチャー企業(VB)の囲い込みに動いている。「ビッグプレーヤーが出そろった」(関係者)格好で、新たな量産技術の離陸が間近に見えてきたことが背景にある。

実際、12年中に世界各国のベンチャーが量産化に向けた第一歩を一斉に踏み出す。例えば米コロラド州に本社を置くベンチャー、ジーケム・インコーポレーテッド。今年10―12月中にもポプラなどの木材原料からバイオエタノールを生産する試験プラントを稼働させる予定だ。同社の支援企業には米P&Gや伊藤忠商事など世界の大手企業が名を連ねる。

ジーケム以外に米ポエト(トウモロコシの芯などが原料)、カナダ・エナケム(都市ごみが原料)、イタリア・ケムテックス(麦わらなどが原料)なども12年中に商業プラントを立ち上げる予定。いずれも試験生産だが、12年はバイオエタノールの"第2世代元年"としてバイオマス産業史に刻まれそうだ。

トウモロコシやサトウキビから生産する第1世代バイオエタノールの世界生産量は約8000万キロリットル。米国とブラジルだけで9割程度を占める。原料の穀物生産国である両国ともに農業振興、エネルギー自給、温暖化防止という3つの政策観点から輸送用(自動車用など)燃料への混合を推奨していることが大きい。

両国のようにバイオエタノール、バイオディーゼルなどを自動車、航空機、船舶の燃料として利用する動きは、徐々にではあるが各国に広がりつつある。国際エネルギー機関(IEA)などの予測によると、こうした輸送用バイオ燃料の世界需要は10年の5500万トン(石油換算)から、35年に1億9000万トン、50年には7億5000万トンに拡大する見通し。

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