「スマート」も消費者目線で 省エネ機能 理解されるか
中上英俊・住環境計画研究所長

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2012/8/13 7:00
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厳しい暑さが続いているが、電力需給に今のところ大きな問題は起きていないようだ。そう遠くないうちに、消費者が過度の心配をする必要もなく需給バランスを調整してくれるようなデマンドコントロール技術が導入されてくるだろう。ただ「エネルギー制御」などの機能の本来の意図が消費者に理解されるか、不安な面もある。

環境・省エネ対応に優れた商品は増えているが……

技術進歩は目覚ましいものがある。私たちが日常何気なく使っている機器には家電製品のみならずガス石油機器においてもICチップがふんだんに使われており、より最適な条件で利用できるよう気が付かないうちに制御してくれている。作り手側で使い手の様々な状況をシミュレーションし、まさにかゆいところに手が届くようなしつらえになっているはずだ。日本のモノづくりの素晴らしさはまだまだ健在のようである。

だが、作り手の意図が使い手である消費者に十分伝わっているだろうか。わが家にもテーブルの上には時には4つも5つものリモコンがのっている。テレビ、ケーブルテレビ、エアコン、有線放送、オーディオ、夏にはこれに加えて扇風機のリモコンまで鎮座することになる。

また、その一つ一つが昔のものとは違っていくつもの操作ボタンが付いているのだからよほど使いこなせていない限りは、使うたびに混乱が生ずることになる。ものによっては次に買い換えるまで一度も使ったことのない機能が搭載されていることも珍しくない。それどころか、買い換えるたびに操作ボタンが増えているような気さえしてくる。作り手側は消費者が実際にどのように使いこなしているのかを調べたことがあるのだろうか?

私の長年の友人であるアメリカ人の研究者は「消費者はリモコンを使いこなしているのか?」といった研究テーマでテレビやエアコン、ステレオといった家電製品のリモコンの使用実態をビデオに収めて分析していた。総じて我が日本の製品の機器性能の良さは認めるものの、リモコンとなるとイエローマークが付いていた。過剰な機能ボタンが多すぎるというのもその理由の一つだったように記憶している。画像を見せて貰ったが、リモコンが思い通りに動かないので最後は怒ってリモコンを拳でたたいている映像には笑ってしまった。

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