ソニー、ソネットを完全子会社に 600億円でTOB
ソニーは9日、インターネット子会社のソネットエンタテインメントを100%子会社にすると発表した。約611億円を投じ、TOB(株式公開買い付け)によるソネット株全株の取得を目指す。完全子会社にすることでネットワーク事業での相乗効果を引き出すほか、ソネットの医療情報サイト運営子会社などとの連携も深める。
ソニーは間接持ち分も含めると、ソネットに58.18%を出資している。TOBの期間は10日から9月20日まで。1株あたり56万7500円でソネット株を買い取る。TOB成立後、東証1部上場のソネットは上場廃止になる予定。
ソネットは家庭用の光ファイバー通信サービス(FTTH)のプロバイダー事業で国内シェア4位のほか、オンラインゲームやネット広告なども手掛ける。ソニーはソネットが持つネット関連の開発者や事業ノウハウ、データセンターなどのインフラをグループ間で活用しやすくして日本やアジアでのサービス強化を進める。
ソネットはネットを使った製薬会社向け営業支援サービスを手掛けるエムスリーに55.9%を出資する大株主でもある。ソニーはエムスリーとの協業関係も深めて、成長領域に据える医療事業の強化につなげる。
ソニーは主力のエレクトロニクス事業の不振のため、2012年3月期まで4期連続で最終赤字を計上した。英携帯端末子会社を100%子会社にする一方、化学事業を売却するなど、業績回復に向けたグループ再編を進めている。