2019年6月18日(火)

鉄スクラップ、中国は利用増やすか PM2.5抑制も
編集委員 後藤康浩

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2014/1/14 7:00
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最近、金属の再生利用というと、「都市鉱山」と呼ばれるパソコン、携帯電話など電子機器の基板から回収する金、パラジウムやレアメタルのインジウムなどを思い浮かべる。本物の鉱山から金を採掘した場合、鉱石1トンで5グラムが世界平均といわれるが、電子機器のリサイクルでは1トンあたり50グラムを回収できるといわれ、各国で都市鉱山を活用する動きが強まっている。

■鉄鋼消費量は世界の3分の1強

中国は高炉による鉄鋼生産が大半を占める(河北省の製鉄所)

中国は高炉による鉄鋼生産が大半を占める(河北省の製鉄所)

ベースメタルでももちろん回収・再利用は長い歴史がある。鉄スクラップはその代表だろう。人類が鉄器を使い始めたのは今のトルコに居住したヒッタイトといわれる。紀元前15世紀前後のことだ。それ以降、人類は農機具や武器に始まり、建築物、工業製品、日用品などに鉄を幅広く利用してきた。

「鉄は国家なり」という言葉は19世紀に生まれたが、近代国家、先進的な経済は大量の鉄を使うのが特徴といえる。人類が3000年以上にわたって営々と生産してきた鉄の総量は230億トンと試算されている。これが地球上のどこかに工業製品やビルの鉄筋、船体など何らかの形で、存在しているわけだ。同じように人類になじみの深い金の累積生産量は12万~14万トンにすぎない。当たり前だが鉄はほかの金属に比べケタ違いに多くの量が存在している。

国別にみると、現時点での蓄積量のトップは中国とみられ、55億トン。2位が米国で45億トンとなっており、日本は13億トンとされる。中国は今、圧倒的に世界最大の鉄鋼生産国であり、2012年に7億1700万トンと世界の46%を生産した。消費ベースでは35%、つまり世界の3分の1強という。中国当局によると、このペースでいくと20年には中国の鉄鋼累積量は100億トンに達する見通しだ。

中国の鉄鋼業は、国内に大量に埋蔵量のある低品位鉄鉱石に加え、オーストラリア、ブラジルなどからの高品位の鉄鉱石を輸入し、高炉製鋼で鉄を生み出している。電力コストが高いため、スクラップ鉄を中心とする電炉の普及は遅れ、製鉄における電炉比率は10.4%(11年)と世界平均の29.4%を大きく下回っている。中国と同じように大量の鉄鋼蓄積量がある米国では粗鋼生産の60.3%がスクラップベースの電炉鋼であり、その比率は過去20年間で20ポイント以上上昇した。

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