日本企業に「ジョブズ流」移植 5人組「PARTY」がめざすもの
編集委員 村山恵一

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2012/5/10 7:00
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テクノロジーとアートの両方がわからなければ、クールなものはつくれない――。米アップル創業者、スティーブ・ジョブズ氏の経営思想を日本企業に移植しようというベンチャーがある。2011年設立のパーティー(PARTY、東京・渋谷)だ。ソニーやトヨタ自動車、ユニクロなど有力企業を顧客に抱え、IT(情報技術)関係者も注目する。原野守弘最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

パーティーの原野守弘CEO

パーティーの原野守弘CEO

パーティーは原野氏のほか、伊藤直樹、清水幹太、中村洋基、川村真司の4氏が組んで立ち上げた。5人とも主に広告業界で実績を積んできたが、手掛ける案件はでき上がったものを宣伝する広告の枠を超え、商品開発などに踏み込む。「クリエイティブディレクター」を名乗る集団だ。

「トヨタにもソニーにも、デザイナーはいるし、エンジニア、マーケッター、ビジネスマンもいる。でも、みんなを監督しクリエイティブなものに仕上げるリーダー、つまりクリエイティブディレクターがいないんです。僕らはクリエイティブの監督という機能を商品開発や空間の設計、プラットフォーム開発、コンテンツ制作に使えるのではないか、というところから出発しています」

「スティーブ・ジョブズ氏はテクニカルディレクターであり、クリエイティブディレクターでもありました。ふたつの才能を持った経営者だったのです。だからこそMacもiPhoneもピクサー(コンピューターアニメ会社)もつくれた。しかし、そういう経営者は日本を含め世界的にも多くはいない。僕たち5人はクリエイティブもテクニカルも両方わかる珍しい人種との思いがあります」

パーティーのメンバーが手掛けた案件の例
プロジェクト概要
ソニーのMAKE TV視聴者がスマートフォン(スマホ)アプリを使ってリアルタイムに参加する生放送番組
ユニクロのUU Mapグーグルマップ技術を使ったファッションカタログ
メニコンのMagic薄型コンタクトレンズパッケージ技術を使った商品のネーミング、デザインなど
ウルトラブック・ポップアップシアターインテルが提唱する薄型ノートパソコンコンセプトのPR
NTTドコモとエイベックスのBeeTV動画配信サービスのスマホ用インターフェースデザイン
トヨタ自動車のFT-86 ソーシャルネットワークレーサースポーツ車の世界キャンペーン。運転の楽しさを体験するゲーム制作

「面白い商品をつくろうと思ったら、デジタルやネットワークと組み合わせて新たな価値を加える必要があります。イノベーションに関する知識や洞察がなければなりません。日本の資本主義にクリエイティブディレクションの機能を提供して、日本企業を見違える存在にすること。パーティーはそれをやってみたいんです」

コンシューマー・エレクトロニクス分野では日本発の大型ヒット商品が少ない。原野氏は「機能のてんこ盛り」が日本企業の問題と指摘する。

「いま世の中の人たちはシンプリシティーに格好よさを感じています。きわだって売れるもの、話題になるものはみなシンプルです。ところが日本の商品はあらゆるところにアイデアを盛り込みすぎています」

「企業が商品のシンプルさを貫くには、機能を削っていく決断が欠かせませんが、みんな削ることを恐れている。例えば、役員会では「その機能を削って大丈夫か。他社にはあるんだろう」といった議論になる。逆に機能を盛っていく話なら役員会でOKになりやすい」

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