2019年1月16日(水)

独VW、周回遅れの商用車事業 「250年企業」の生かし方がカギ

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2012/7/10 7:00
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独フォルクスワーゲン(VW)がようやく商用車事業の強化に動き出した。欧州自動車最大手のVWがトラック・バスの分野では独ダイムラーやスウェーデンのボルボの後手に回ってきたのは、VWが乗用車で成果を上げた事業モデルを構築できなかったためだ。ネックとなっていたのは6月に出資比率を75%強に引き上げた独MANだ。事業強化の成否は、創業250年を超えるこの老舗メーカーを飼いならせるかがポイントになる。

MANの中大型トラックは欧州で存在感がある

MANの中大型トラックは欧州で存在感がある

欧州の高速道路を走ると、トラックは乗用車に比べて地元メーカーの独壇場だと実感できる。日本でも国内4社の存在感は圧倒的に大きいが、アウトバーンで日本人の目に珍しく映るブランドはMANだろう。獅子のエンブレムを付けた同社のトラック・バス部門は昨年、約8万5000台を生産している。

独企業には、高級車のBMWやエネルギーのRWEなど略称の社名が多い。正式な名称を乱暴に日本語にすれば「バイエルンエンジン製作所(BMW)」や「ライン・ウエストファーレン電力(RWE)」。MAN(エム・アー・エヌ)は前身の製鉄所が1758年にルール地方で創業されたのがルーツで、20世紀の初頭に「アウクスブルク・ニュルンベルク機械製作所」の頭文字が社名となった。

このMANに対し、VWは議決権ベースの出資比率を75%強まで引き上げた。これで株主総会の議決は意のままにでき、さらに株式を取得する方針を示している。第2次世界大戦後に「ビートル」の本格生産で成長を始めたVWからみれば、フリードリヒ大王時代に起源を持つ独産業界でも老舗中の老舗を手中にしたことになる。

9月から商用車事業を率いるスカニアのエストリング会長

9月から商用車事業を率いるスカニアのエストリング会長

VWといえば乗用車ではアウディ、シュコダなど傘下ブランド間でプラットホームなど主要部品を共通化し、グループ内の相乗効果を高めて成功しているメーカーだ。これで、2000年に資本参加し、現在は議決権ベースで71%強出資するスカニア(スウェーデン)と、商用バンの「トランスポーター」などを作るVW商用車の3ブランドの駒がそろった。今後はVWを司令塔に商用車でもその手法を広げていこうというのだが、欧州のメディアはその行く末にまだ懐疑的なようだ。

9月にスカニアのレイフ・エストリング会長が新たな商用車部門のトップに就く。VW本体の取締役にもなり、VWが今後のグループ戦略の重要な柱に位置付けているのは間違いない。しかし、そもそもVWがMANを手にしたのは、MANがスカニアに買収を提案したことから始まっているからややこしい。

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