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NHK経営委員国会同意 会長、首相周辺に交代意見

会長人事巡り綱引き

NHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員5人の人事案が8日、衆参両院の本会議で可決、近く任命される。同委員会は来年1月24日に任期が切れるNHK会長の任命権を持つ。新任の4人はいずれも安倍晋三首相に近いといわれ、首相周辺には松本正之会長の交代を求める意見もある。現委員には会長続投を求める声もあり、会長人事を巡り委員間の綱引きが繰り広げられそうだ。

NHK経営委員一覧
現任浜田健一郎委員長、ANA総合研究所会長
上村達男委員長職務代行者、早大教授
上田良一元三菱商事副社長執行役員
美馬のゆり公立はこだて未来大教授
宮田亮平東京芸大学長
室伏きみ子お茶の水女子大教授
渡辺恵理子弁護士
再任石原進JR九州会長
新任中島尚正海陽中等教育学校長
長谷川三千子埼玉大名誉教授、哲学者
本田勝彦JT顧問
百田尚樹作家

(注)12月10日に退任する委員は除く

新任は小説家の百田尚樹氏と埼玉大学名誉教授の長谷川三千子氏、海陽中等教育学校長の中島尚正氏、日本たばこ産業(JT)顧問の本田勝彦氏。任期は3年だ。

百田氏と保守の論客として知られる長谷川氏は、昨年の自民党総裁選で安倍首相を支援する有志の会の発起人。本田氏は首相の小学生時代の家庭教師だ。中島氏の海陽中等教育学校は、首相のブレーンとされる葛西敬之・東海旅客鉄道(JR東海)会長が副理事長に就いている。

経営委員会の最大の任務は会長の任命だ。委員が会長候補者を挙げ、委員12人のうち9人以上の賛成で選ばれる。

首相周辺ではNHKの報道姿勢の見直しを求める声がある。「原発や防衛問題などでNHKは特定の見方に偏っているとの主張が、官邸周辺や首相に近い経済界の重鎮から上がっている」(NHK幹部)。会長人事を通じて放送に影響力を及ぼしたいのではないか、との見方がある。

首相はこれまでNHKの報道に強い関心を示してきた。官房副長官当時、旧日本軍の従軍慰安婦問題を裁く民衆法廷を扱った2001年1月のNHK番組について、放送前に内容に偏りがあるなど「公正中立の立場で報道すべきではないか」と指摘した経緯がある。

菅義偉官房長官は今回の人選について「首相に近く、信頼関係のある人を選んだ」と、首相官邸主導人事を認める。ただ政権の意向が放送内容に影響しかねないとの見方は「全くあたらない」と否定した。

マスコミ論が専門の門奈直樹・立教大名誉教授は「政治介入とは言い切れないが、首相に近い人脈での委員人選は国民に疑念を抱かせかねない。会長人事で政権の顔色をうかがうことにならないか心配だ。放送の公平性が失われれば、国民のNHK不信につながる」と指摘する。

松本会長は3年間の任期中、受信料の7%引き下げやNHK職員の給与10%削減などを実施。現経営委員には経営手腕を評価し、続投を求める人も多い。「経営委員は放送法で特定の番組編集に干渉できない。会長は経営実績を踏まえて選ぶべきだ」と、官邸の動きをけん制する経営委員もいる。

交代派も続投派も委員9人以上の合意を得るハードルは高いとされる。年末までに次期会長を決めるとみられるなか、委員間の駆け引きがこれから本格化する。

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