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ロボット技術で農作物 自ら「賢く」
日経ものづくり編集委員 木崎健太郎

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2013/2/12 7:00
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 ロボット技術を農業に応用するといえば、まず考えられるのが収穫や水やりといった、人手のかかる作業の自動化だ。つまり、人がロボット化の対象になるわけだが、視点を変えて農作物の方をロボットにするとどうなるか。このような研究の成果が出はじめた。

 東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム部門准教授の水内郁夫氏らのグループは、ブルーベリーの木(灌木)を載せて移動するロボット「Plantroid」を製作した(図1)。太陽電池パネルを貼った六角形の筐体(きょうたい)は、移動のための車輪と周辺の明るさや温度などを検知するセンサー、それに判断機能を備える。正確には農作物そのものではなく、農作物を載せる「植木鉢」のロボットだが、このロボットを使うことで、ブルーベリーの光合成の効率を最適な状態に保つことができる。光のよく当たるところに自ら動いていけるからだ。

図1 植木鉢ロボット「Plantroid」。30キログラムまでの農作物(植物)を載せて、明るい方向に自動的に移動する機能を持つ
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図1 植木鉢ロボット「Plantroid」。30キログラムまでの農作物(植物)を載せて、明るい方向に自動的に移動する機能を持つ

 「従来は畑として成立しなかった土地で、農作物を育てられる可能性も出てくる」(水内氏)。例えば、午前中は西半分、午後は東半分しか日の当たらない土地があったとする。農作物を植えても半日しか日が当たらないが、このロボットを使えば、農作物を日の当たる側に常に置くことが可能になる。

 光のあるところに動くだけではなく、光を避けて日陰に入ることもできる。ブルーベリーの木は温度が上がりすぎるとかえって光合成の効率が落ちることが知られている。そこで、このロボットはブルーベリーの温度をモニターしながら、状況によって日なたに出たり、日陰に戻ったり、といった知的な動き方ができる。

 これは、植物である農作物にとっても画期的なことだ。農作物は地面に根を張って動かない存在だが、このロボットによって、あたかも農作物自身が検知、判断、移動の能力を獲得することになる。言ってみれば、動物のような行動が可能になるわけだ。

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