つぶやき、反響呼ぶ計算 エステー「風」読む鳥男
ソーシャル×企業 「つながり」進化中

(1/4ページ)
2012/6/13 7:00
保存
共有
印刷
その他

企業と消費者をつなぐソーシャルメディア。秒単位で変わる世論をとらえる魅力的な媒体である一方で、不特定多数の消費者と向き合うことの風圧や「炎上」などのリスクも顕在化している。期待した効果も得られず「ソーシャル疲れ」に陥る企業も多い。そんな中、試行錯誤の段階を経て、成果を上げる成功例も出てきている。「つながり」とともに進化を続ける企業を追った。

■年間広告予算30億円を一手に

エステー特命宣伝部長の鹿毛康司氏

エステー特命宣伝部長の鹿毛康司氏

「高田鳥場(たかだのとりば)」。サングラスをかけたトリのぬいぐるみで顔を覆い、ツイート(つぶやき)を続ける異様さも受け、ミニブログツイッター」では知る人ぞ知る有名人だ。本名は鹿毛康司氏。消臭芳香剤大手、エステーの特命宣伝部長で年間約30億円の広告予算を預かる。

個性的なテレビCMで知られるエステー。最近は、ポルトガルの少年が高らかに歌う芳香剤「消臭力」のCMがシリーズ化されるなど話題を集める。その内容や公開のタイミングを決めるのは鹿毛氏の役目。社運をかけた決断の決め手とするのが、ツイッターで交わす消費者とのやり取りだ。

鹿毛氏はかぶり物で有名人

鹿毛氏はかぶり物で有名人

CM撮影ロケのエピソードや時事的な話題など何気ないつぶやきの中に、「消臭力の新しいCMはどんなものがいいかな」など自社製品の宣伝に必要な情報を聞き出す質問をさらりと織り込む。鹿毛氏に親しみを持つフォロワー(閲読者)からは「人気歌手とのコラボCMが見てみたい」といった話題が舞い込む。事実、消臭力のCMのアイデアはそのような対話から引き出した。

鹿毛氏は同社広報部の中村吉見部長と密に連携、新製品の開発状況や投入時期など社内情報を常に把握している。どのタイミングで何を語れば消費者が興味を持ち反応するかを知っている。計算しつくされたつぶやきとも言える。

ツイッターでフォロワー数22万人を超えるスターバックスコーヒーなど上位企業は無料券を提供したり新製品紹介などが中心。集客効果は大きいが、消費者の声を読み解くことは難しい。一方、鹿毛氏のフォロワー数は約1万人と決して多くはないが、確実に市場の空気をくみ取れる。

■テーブルマーク、一社員が真摯に受け答え

「おそれいりこだし」「ありカトキチ」――。独特のダジャレでツイッター上で人気を集めた加ト吉(現テーブルマーク)。3万人近いフォロワーを抱えた人気アカウントだったが2010年の社名変更と当時のツイッター担当者の退社に伴い戦略も一新した。後任はソーシャル運用経験のない女性社員を起用した。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]