つぶやき、反響呼ぶ計算 エステー「風」読む鳥男
ソーシャル×企業 「つながり」進化中

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2012/6/13 7:00
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弁当箱に横たわる哀愁を帯びたハム――。伊藤ハムのゆるキャラ「ハム係長」だ。2011年3月にソーシャルゲームの「グリー」に、同4月にSNSの「フェイスブック」に登場した。お弁当に入ったハムをかたどり、脱力系の「ゆるキャラ」の典型的な外見だ。レシピや4コマ漫画、時事問題のイラストなどを投稿。実際の投稿や消費者対応は、広報部門の3人が担当している。

■企業色抑え、娯楽要素高める

「企業色が前面に出るキャンペーン情報などは反応がよくない」と、同社管理本部の関沢昌弘担当課長は明かす。架空キャラクターらしく、娯楽要素の高いコンテンツ発信に努めている。例えば最近では「フェイスブックでしりとりがやりたい」と唐突に始めたところ、約300の投稿が寄せられた。

ハム係長誕生の引き金となったのは、商品単価の下落が止まらないことへの危機感だ。特売品は売れるが、通常価格の商品には消費者がなかなか振り向いてくれない。ソーシャルメディアがブランド価値を育てるための切り札になると考えた。

企業ロゴを前面に出すと堅苦しくなるが、親しみやすいキャラクターなら「息の長い熱心なファン」(関沢担当課長)を増やすことができると考えた。現在ファンはフェイスブックで2万4000人おり、今年度中に5万人を目指す。

2週間分のスケジュールが埋まる人気アバターもいる。「あきこちゃん」という大学2年生の仮想店員を公式キャラクターに据えるローソンだ。21種類ものソーシャルメディアで情報発信する"売れっ子"だけに、足並みの乱れを防ぐためだ。宣伝、広告、販促などの横断的なチームが発信する内容を2週間前に決め、「原稿を1週間前に集め、配信予約の登録をする」。

リアルタイムで相手の反応を見ながらやりとりできるソーシャルメディアの便利さは、もろ刃の剣でもある。特定の発言を機に猛反発を招くような「炎上」など、企業にとってリスク要因にもなりうるからだ。話す主が仮想キャラクターだろうと、「中の人」が生身の人間である以上そのリスクは変わらない。

■直接対話か、背を向けるか 苦悩する企業

例えば、北海道長万部町のキャラクター「まんべくん」。昨年8月にツイッター上で突然暴走。「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです」などと勝手に発言。長万部町の町長が謝罪し、まんべくんの許諾先の企業がキャラクター使用を見合わせるほどの騒動に発展した。投稿を運営委託会社に任せていたことが招いた事態で、同町はまんべくんのアカウントを休止した。

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