日本メーカーの長所が生きる製造装置
日経ものづくり編集委員 木崎健太郎

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2013/4/9 7:00
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ディスコのレーザー切断装置「DFL7000」シリーズ。半導体の低誘電率膜(ローk)の切断などに向く

ディスコのレーザー切断装置「DFL7000」シリーズ。半導体の低誘電率膜(ローk)の切断などに向く

半導体ウエハーの加工装置を手掛けるディスコは、ウエハーを切断するダイシング装置やレーザー切断装置でそれぞれ約70%の世界シェアを持つ。刃物を用いる従来方式のダイシング装置での強さを背景に、半導体の低誘電率膜(ローk)のようなもろい材料や発光ダイオード(LED)のサファイア基板のような硬い材料をレーザー光で切断するレーザー切断装置においても圧倒的なシェアを確保しつつある。これができた背景には、これまでに得た顧客からの信頼によって「新たな加工依頼が真っ先に持ち込まれる」(技術開発本部長を兼務する関家一馬社長)という立場になっていることが大きい。

装置製品においてこの鉄壁のサイクルが回るのは、日本メーカーの長所が表に出やすく、弱点が出にくいことの表れ、と見ることもできる。まず、価格競争力が支配的ではない。装置は、理屈で言えば2倍長持ちすれば、価格が2倍高くても1日当たりの費用は同じだ。中古品を高く売れる場合なら、その分初期費用が高くても顧客にとっては割高にはならない。むしろ、故障が少なく安定して稼働することの方が重要であり、高品質で信頼性が高いという日本メーカーの特長が生きてくる。

さらに、多少は時間がかかっても不利にならないこと。ある程度決まりきった使い方をする製品や設備ならば、そこそこの製品を素早く導入できる方が顧客にとってメリットは高い場合がある。このような場合、一般に海外メーカーの動きは早く、顧客の話をじっくり聞こうとする日本メーカーは不利になることがある。しかし顧客が持つ最新の課題を解決する必要があるのならば、多少の時間がかかっても、顧客にとっては確実に課題の解決に結び付く製品の方が望ましい。

当然、今までよりも低コストにしたり、設計生産にかかる時間を短縮したりする努力は必要だ。それでも、装置は日本のものづくりの強さが最後まで生かせる分野の一つなのではないだろうか。

(日経ものづくり4月号に関連記事)

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