起業家求む 開発合宿、養成スクールなど続々展開

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2012/8/9 7:00
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起業家求む――。ヤフーなどのインターネット企業が次世代のネットビジネスを担う人材の"青田買い"に駆け回っている。伝道師役は現役のエンジニアら。東日本大震災の被災地でノウハウを授けたり、大都市で手取り足取りで起業の相談に乗ったりしている。開発合宿から養成スクールまで、長い目で見て産業を引っ張る素質がある逸材を見いだそうと奮闘する現役世代の「暑い夏」は真っ盛りだ。

第1回「石巻ハッカソン」では漁業や養蚕業にかかわる地元の若手らが、ヤフーと二人三脚でITを使った独創的な事業モデルを発表した(石巻市、7月29日)

第1回「石巻ハッカソン」では漁業や養蚕業にかかわる地元の若手らが、ヤフーと二人三脚でITを使った独創的な事業モデルを発表した(石巻市、7月29日)

7月27~29日の金土日、石巻工業高校(宮城県石巻市)。グラウンドでは野球などのスポーツに打ち込む生徒の姿が見られる一方、コンクリート打ちっ放しの校舎の教室内では、うちわ片手に真剣な表情で大人たちが議論を戦わせていた。地元社団法人の「石巻2.0」が主催し、ヤフーが協力した短期間での新事業開発合宿「石巻ハッカソン」1回目のひとこまだ。

石巻ハッカソンは、石巻2.0がヤフーのほか世界的組織「スタートアップ・ウィークエンド」と組み、実現にこぎ着けた。

同組織は世界の各都市で金曜から日曜までの3日間、ITエンジニアやウェブデザイナーなどの有志が一堂に会するイベントを催す。ネット系の新事業のプランをアピールし、見ず知らずでも意気投合した者同士がチームを構成し、最終日に向けてひたすら開発する。72時間というリミットゆえか真剣勝負。多くのスポンサーがつくことでも知られ、有望なネットベンチャーを各国で生み出す原動力となっている。

ヤフーは「石巻ハッカソン」を3カ月おきの定例イベントとすることを決めた(宮城県石巻市、7月29日)

ヤフーは「石巻ハッカソン」を3カ月おきの定例イベントとすることを決めた(宮城県石巻市、7月29日)

今回、石巻2.0の呼びかけに応じ、石巻から名乗りを上げて参加したのは漁業や養蚕業、手工業といった伝統的な産業を担う若手の面々。そこへプログラミングや事業化のノウハウを持つヤフーの技術者ら35人が東京や名古屋、大阪から観光バスを借り切って駆けつけた。

「宮城県の養蚕業の担い手を救いたい」「石巻の漁業者と消費者を動画配信サイトでつなぎ、新しいEC(電子商取引)を作れないか」――。現地参加組はITには疎いものの、現業をよく知る人ばかり。初日には、地場の産業を何とかしたいという問題意識を思い思いに訴え、プレゼンテーションを行った。

アイデアごとに6チームに分かれ、ヤフーの技術者らの助言を得て事業モデルをフローチャートなどに落とし込む。2日目の終日、3日目の午前にはひたすらプログラミングを行い、デモ用の簡単なサービスのひな型を作るところまで詰める。新しいサービスを立ち上げるネット企業の事業開発さながらの活発なやりとりが繰り広げられた。

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