2018年11月21日(水)

ハーフカーボンビルも登場 節電が救う日本のエネルギー危機

(1/2ページ)
2012/11/12 7:00
保存
共有
印刷
その他

東京電力福島第1原子力発電所の事故後、電力各社の原発稼働率が低下し、電力の不足やコスト上昇が大きな課題になっている。政府は新しいエネルギー基本計画の策定を急いでいるが、省エネルギーは政府が従来想定してきた削減幅よりも、さらに深掘り可能だ。供給サイドを増強することも大事だが、IT(情報技術)を活用して需要サイドをスマートに構築し直すことが重要性を増している。

NECは節電関連製品の提供に力を入れている(東京都千代田区で開催した展示会)

NECは節電関連製品の提供に力を入れている(東京都千代田区で開催した展示会)

「中小のビルはビルエネルギー管理システム(BEMS)を導入し、きめ細かく管理すれば10%以上の節電は十分に可能」。NECのビルソリューション推進部の担当者はこう説明する。

同社が今月8~9日に都内で開いた展示会「C&Cユーザーフォーラム」のなかでも力を入れていたのがスマートエネルギーやスマートシティ(環境配慮型都市)関連事業の紹介だ。BEMSだけでなく、家庭内エネルギー管理システム(HEMS)やブレーカーごとの電力使用量を「見える化」できるスマート分電盤など関連機器を展示。担当者は「電力会社の値上げもあり、大企業だけでなく、中小企業でも節電への関心が高まっている」と手応えを感じている。

これまで供給サイドでは電力会社が「オール電化」の営業攻勢をかけるなど売上高を拡大することに注力してきただけに、電力需要の抑制策は力不足が目立つ。

政府は国家戦略担当相や経済産業相、環境相など関係閣僚で構成する「エネルギー・環境会議」でエネルギーの中長期戦略を議論してきた。6月に示したエネルギー戦略の3つの選択肢では、いずれも節電は1割に設定。2010年実績で1兆1000億キロワット時の発電電力量を30年に約1兆キロワット時に減らすとのシナリオだった。

このシナリオをもとに議論を進め、9月14日に策定した革新的エネルギー・環境戦略でも節電については「30年までに1100億キロワット時以上の削減を実現する」と、ほぼ同水準の目標値だった。現在、新しいエネルギー基本計画の策定は難航しているが、節電幅についてはもっと拡大できる余地が大きい。

例えば千葉県柏市で三井不動産などが展開する「柏の葉スマートシティプロジェクト」。08年から省エネ化を徹底したマンションなどの建設が徐々に進み、14年春にはオフィスや店舗、ホテル、住宅などが入る「148街区」と呼ぶ中核の施設が完成予定。空調や照明を最適制御するなど大幅な省エネを進め、商業・オフィス棟は05年度の東京都内のオフィスビルに比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を約50%削減した「ハーフカーボンビル」を目指す。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報