「苦情は公的機関へ」 スカイマーク、文書回収へ
消費者庁要請受け
(更新)
スカイマークは6日、機内でのサービスの苦情を公共機関に連絡するようになどと書いていた機内文書「サービス・コンセプト」を回収する方針を決めた。同日に消費者庁が「苦情を公的機関に振り向ける姿勢は容認できない」として回収を要請したため。表現を改めて14日をメドに新しい文書へ見直す。
スカイマークの西久保慎一社長は6日夜、消費者庁に福嶋浩彦長官を訪ね「クレーム対応を急ぐあまり、うかつなことをした」と陳謝した。
サービス・コンセプトはスカイマークの機内サービス方針を8項目に分けて明記してある。先月下旬から機内座席のポケットに入れて利用者への周知を図っていた。執拗にクレームを繰り返す利用者を想定して作成したため「客室乗務員は収納の援助をしません」「機内の苦情は一切受け付けません」など、断定調の厳しい表現を使っていた。
公表直後からインターネット上などで「利用者にとって表現が厳しすぎる」と批判的な意見が相次いだ。特に問題視されたのが、苦情を「消費生活センター等」など公共機関に連絡するよう明記した部分だ。5日には東京都が抗議文を送ったほか、6日には消費者庁が文書回収を要請するなど同社に対する風当たりは強まっていた。
事態を重くみたスカイマークは文書の表現を全面的に軟らかい表現に改めるほか、苦情を公共機関に訴えるよう書いた部分を削除する方針だ。
消費者庁の福嶋長官は同日の記者会見で「消費者庁としては文書を早急に回収すること、消費生活センターは苦情窓口ではないことをスカイマークの利用者に周知いただくことを求めたい」などと述べた。
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