「なんだ、あのロボットは」。3月に米テキサス州オースティンで開催された「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)」。スタートアップの祭典でひときわ大きな人だかりができた。
■高専発、反響呼ぶ
アニメに出てくるような搭乗型ロボットが操縦者の動きに合わせ、「手」や「足」を突き出す。名づけて「外骨格(パワードスーツ)」。出展したのは日本の工業高等専門学校が競う「ロボコン」で優勝した沖縄高専のメンバーで構成するスケルトニクスだ。
話題が話題を呼び、米有力紙USAトゥデー、米三大ネットワークのABCテレビが取り上げるほどの人気となった。仕掛けたのは元ACCESS共同創業者の鎌田富久(52)だ。「これほどまで反響を呼ぶとは思わなかった」と笑う。
鎌田は今、TomyK代表としてスタートアップ支援を手がけるが、日本では苦労した。東京大発のSCHAFT(シャフト)は二足歩行ができ、人と同じような作業ができる災害対応ロボットを開発、米国のコンテストで決勝戦に進む実力。
だが1台3000万円のロボット試作費の調達に国内の金融機関やメーカーから色よい返事はなし。最終的に鎌田が接触したのが米グーグル元上級副社長のアンディ・ルービンだ。