東北で電力逼迫、東電が融通 豪雨で水力29カ所停止
東北電力の管内で5日、電力の需給が逼迫し、供給力の余裕を示す「供給予備率」が一時3%を下回った。気温の上昇に加え、7月末の新潟、福島両県の豪雨被害で水力発電所が29カ所停止して供給力が大幅に低下したため。東京電力は4日から東日本大震災後初めて、東北電に30万キロワットの電力融通を実施した。

東北電管内では5日、午後2時台にピークとなる1183万キロワット(速報値)の需要を記録。東電からの融通30万キロワットを含めても一時予備率は2.4%になった。
7月の電力使用制限令発令以来、供給予備率が3%を下回るのは初めて。需要見通しに対して供給予備率が3%を下回ると、政府が需給逼迫警報を出す仕組み。ただ前日の予想では予備率は3%超あったことと、東電からさらに融通を受けられる可能性があることから、警報は出さなかった。東電は6日と、8~11日にも電力融通を実施することを決めた。
東北電では7月末の豪雨により水力発電所で被害や点検が必要な状態が発生し、供給力が100万キロワット程度低下。8月4日に東電に即日の融通を要請した。「早期に運転を再開させたい」(東北電)としているが、明確なめどは立っていない。
また東電は5日、12日までの電力需給見通しを発表した。工場の操業が減り、供給予備率は25.2%以上を確保する。
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