2019年8月21日(水)

ガソリン車でハイブリッド並み低燃費
マツダ・スズキ・富士重、低価格で新興国開拓

2010/7/7付
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マツダスズキ富士重工業などがハイブリッド車並みの低燃費で低価格のガソリンエンジン車を新興国など内外市場に投入する。燃費性能が燃料1リットルあたり30キロメートル超と業界最高水準の小型車をマツダが2011年にも世界発売するなど、エコカーで出遅れる中堅メーカーが生き残りに向け独自戦略を打ち出す。中堅のすみ分け戦略が奏功すれば、日本の自動車産業全体の競争力底上げにつながりそうだ。

マツダは内部の燃焼効率改善などで現行より燃費性能がガソリン燃料で15%、軽油を使うディーゼルでは20%高い新型エンジンを開発。構造を見直して鉄の使用量を抑え、車体重量を約100キログラム軽くした新型プラットホーム(車台)にこのエンジンを搭載した小型車を11年にも発売する。

1リットル30キロメートル超が実現すれば、ホンダのハイブリッド車「インサイト」(同30キロメートル)を上回る。価格は未定だが小型車で100万円台前半と、現行車並みに抑える見通しだ。中間層が増えている新興国市場での環境対策にも有効とみて、海外メーカーへの新型エンジン外販も計画している。

スズキは今秋に日欧市場で売り出す主力小型車「スイフト」の次期モデルで、停車時にエンジンを自動停止するアイドリング停止装置を小型車では初めて導入する。同装置の採用で約10%の燃費性能改善を見込む。価格は現行車並みの120万円前後に抑える方針。

富士重も燃費性能を10%向上させた新型エンジンを今年後半から主力の中型車に搭載する。あわせて変速機も、現在大半の車種に採用している自動変速機から無段変速機に切り替える。無段変速機はギア変化がなく、エネルギーの伝達効率が高いため燃費改善につながる。自動変速機の搭載は一部車種に限定する。

ダイハツ工業はハイブリッド車並みに低燃費で100万円未満の軽自動車を11年中に発売する計画だ。三菱自動車も11年度内に低燃費型の小型車を発売する。生産の一部はインドやブラジルなどの現地企業に委託。製造コストを抑え、新興国市場開拓の切り札にする。

ホンダが次期ハイブリッド車を150万円前後に設定するなどエコカー分野でも低価格化が進んでおり、各社はガソリン車でも一段のコスト削減に取り組んでいる。

世界の自動車販売は低燃費・低価格車に主役が移りつつある。日本などの先進国ではハイブリッド車が普及しているが、新興国ではガソリン車が大半だ。経営資源が限られる中堅は既存技術を使えるガソリン車の性能改善を優先し、新興国で需要獲得に力を入れる。

ハイブリッド車などのエコカーは巨額の開発費が必要なため、環境分野で先行する大手と組むことで技術を補う。マツダはトヨタ自動車からハイブリッド技術の供与を受けることを決めた。スズキもエコカー開発では独フォルクスワーゲンとの提携を活用する。

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