フェイスブックは広告媒体として有効か 「いいね!」効果の測定に課題も

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2012/6/14 7:00
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交流サイト(SNS)世界最大手フェイスブックが新規株式公開(IPO)に踏み切ってから約1カ月がたつ。公開前の盛り上がりとは裏腹に、株価は公開価格を下回った水準で推移を続ける。低迷理由の一つは、同社の主要な収入源であるネット広告の効果を疑問視する意見が出ているためだ。

フェイスブックの広告媒体としての価値は過大評価なのか。専門家に意見を聞くと、長期的には有望との声はまだ根強い。

■GMの決別宣言で広告効果に疑問符

この論争に火をつけたのが、IPO直前に報じられた「米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)がフェイスブックでの有料広告をやめる」というニュースだ。GMといえば、日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や通信大手AT&Tと並ぶ、米国を代表する大型広告主。同社の決断はほかの企業の広告戦略にも影響を与えかねない。

フェイスブックがIPOに先駆けて行った投資家説明会で、米有名アイスクリームブランド「ベン・アンド・ジェリーズ」が、「フェイスブック広告では1ドルの投資が3ドルの売り上げにつながる」と語るなど、同サイト上での広告効果に期待が高まっていただけに、GMの突然の決別宣言は市場に衝撃を与えた。

「フェイスブック広告は、テレビ広告とは根本的に違う。メンテナンス(整備)が必要なんだ。この使い方の違いを分かっていない企業が多い」

こう嘆くのは、ソーシャル系ネット専門の広告代理店、英TBGデジタルのチーフ・デベロップメント・オフィサーのサイモン・スパウル氏だ。テレビ広告は"流す"という作業で終わるが、フェイスブック広告はファンページを作成するだけでは完結しない。商品クイズを出して賞品があたるキャンペーンをやったり、新製品情報を流したり、つねにファンを楽しませる取り組みを続けなくてはいけない。書き込みの頻度が高すぎても、低すぎてもファン離れにつながるので、そのさじ加減は難しい。

■適度な「メンテナンス」が必要

フェイスブック広告はファン作りには有効だが、売り上げ増にはつながらないという批判もよく企業から出る。だが、スパウル氏は「日ごろから適度にメンテナンスされたファンは、販促キャンペーンにも敏感に反応するので、割引クーポンなどの配布を通じて売り上げを簡単に伸ばすことができる」と説明する。例えば、TBGにフェイスブック上での広告を委託する日用品大手ユニリーバは、フェイスブック上での定期的な販売キャンペーンを通じて、デオドラント(制汗剤)の売り上げ増に成功しているという。

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