2019年2月23日(土)

検索エンジン発明の日本、「グーグル」生み出せなかった経営トップ
石黒不二代・ネットイヤーグループ社長

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2013/3/9 7:00
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現在、経済産業省の「新事業を創造するための企業内の人材マネージメントの在り方」という委員会の委員をしている。委員会設立の背景には、日本企業のほとんどが自社の新事業創造に満足しておらず、その要因としてマーケットニーズが把握できていないこと、ビジネスモデルが組み立てられないことを挙げている事実がある。

1994年にスタンフォード大学経営大学院を修了、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。2000年から現職。

IT(情報技術)分野でも米シリコンバレーが一人勝ち状態だ。「なぜ、日本にアップルやグーグルが生まれないのか?」という議論も盛んだ。理由は平たく言うと「プロデュース力の欠如」だ。

この「プロデュース」という言葉、カタカナになるやいなや、わかったようなわからないような、という人も多い。そこで、日本企業がプロデュース力を持つための第一歩としての発想の転換を、今回は考えてみたい。

米アップルはシリコンバレーには珍しいハードウエア企業である。だがアップルの成功の源泉は「ユーザーエクスペリエンス(UX)」という言葉で表現される「新しい顧客の体験の創造」だ。

経営不振に追い込まれたアップルの起死回生は携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」から始まった。アップルがやったことは「iTunes(アイチューンズ)」という音楽販売サイトを通じてオンラインで音楽を販売し、「もうCDを店舗に買いに行かなくてもいい」「いつでも好きな音楽がすぐ手に入る」という新しい顧客体験の創造だ。だから、iPodは爆発的に売れた。

アップルは顧客体験だけでなく音楽ソフト会社の体験も変えている。1曲99セントという破格な価格は、レコードやCDをその数倍の値段で売ってきた音楽ソフト会社にとって屈辱的だったに違いない。しかし、すでに違法ダウンロードに悩まされ続け、売上高を激減させていた各社は、新しい体験を欲していた。

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