攻めのビッグデータ 製造業の殻を破れ
日経ものづくり編集委員 木崎健太郎

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2013/7/9 7:00
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ものづくりにおいてもビッグデータの活用が進み始めた。ビッグデータは業務の現場で刻々と生じる膨大な容量のデータ。これを上手に生かすことで、ものづくりの価値を大きく高めることができる。ただ、ビッグデータの活用に成功している企業の事例を見ると、その企業の姿勢や方針がもともと極めて明確であることに気づく。

アマダの板金機械「LASBEND AJ」

アマダの板金機械「LASBEND AJ」

アマダは板金加工機械の保守サービスに、顧客の工場で稼働している機械のセンサーから得られるデータを利用し始めた。日々得られる大量のデータを監視し、故障の予兆を検出することによって、機械が止まる前に先回りして部品を交換してしまう。故障が起こってから直すよりも、機械の停止時間を大幅に短くできる。

このサービスで利用するデータは、センサーからのデータだけではない。センサからのデータが何を意味するのか、どこが故障しそうでどの部品を交換すべきかを判断する基準となるのが、1960年代後半から保守サービス担当者が残していたリポートだ。同社は、担当者が現場から送ってきていたリポートを全てデジタル化して蓄積していたのである。

同社はもともと、工作機械だけを供給するのではなく、サービスの提供に力を入れてきた。古くは工具や刃物を供給することから始め、近年は故障時に最大2日以内に復旧することを保証してきた。「顧客にとっては、思い通りにきちんと良品を造れることが重要」(同社執行役員エンジニアリングサービス本部長の大貫正明氏)であり、そのためには機械を供給するだけでは不十分だからである。従って同社は、ビッグデータの活用が可能になったからサービスを変えたというより、もともとやりたかったサービス向上がビッグデータによって可能になったと考えている。「やりたいことはまだまだあり、道半ばの状況」(同)だ。

今後さらに、顧客の生産計画や生産品目に合わせて保守計画を最適化し、定期点検だけで故障を起こさないようにすることを目指す。「機械が止まってから対応するのではなく、そもそも機械を止めない」(同)わけだ。そこでは、さらに顧客の生産計画データ、工作機械を運転するためのプログラムデータなどの分析も必要になる。顧客先で稼働する機械ごとの保守情報を含むサービスBOM(Bill of Materials)の整備にも着手している。

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