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三井化学、医療分野を開拓 独社事業を543億円で買収

三井化学は4日、独素材大手、ヘレウス(ヘッセン州)の歯科材料事業を買収すると発表した。買収額は負債を含めて約543億円。三井化学のヘルスケアを含む機能化学品部門の売上高は現在より約3割増の2千億円に迫る。国内の石油化学事業が縮小するなか、総合化学大手が景気に左右されにくい医療関連分野を成長のエンジンにする動きが加速する。

同日都内で記者会見した三井化学の田中稔一社長は「歯科材料は世界的な高齢化で安定成長を見込める事業だが、海外市場への足がかりがないのが最大の課題だった」と述べた。ヘレウスの事業は欧米やアジアに及んでおり、三井化学は子会社のサンメディカルの歯科用接着剤や出資先の松風の歯科機器をグローバル展開できるようになる。

三井化学の石化部門の売上高は4630億円(2013年3月期見通し)だが営業利益は80億円にとどまる。半導体向け材料などの基礎化学品部門は売上高3860億円に対し185億円の営業赤字の見込み。一方、機能化学品の売上高は約1500億円と少ないが、120億円の営業利益を稼ぎ出す見通しだ。

国内の総合化学大手は収益性が高いヘルスケア事業の大型買収を進め、三井化学はむしろ出遅れていた。旭化成は12年に米救急救命機器大手ゾール・メディカルを買収。三菱ケミカルホールディングスも医薬品カプセル大手を子会社化した。

背景にあるのは国内の石化事業の不振だ。エチレンの国内年産能力は計721万トンあるが、12年の生産量は614万トンにとどまった。設備稼働率は損益分岐点とされる90%割れが続いている。

ヘルスケア市場は新興国の医療水準向上もあり持続的な成長が見込める。ただ医薬品や医療機器は各国で臨床試験などを経て規制当局に販売承認を得る必要がある。そのノウハウや経験を自前で育てるのは難しい。

開発や販売面でも医師とのパイプが欠かせず、買収や資本提携以外での新規参入を阻む高い壁となっている。このため「石化から高付加価値分野への迅速で大胆なシフト」(田中社長)を狙う総合化学大手の買収が今後も続く可能性がある。

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