2019年1月23日(水)

エクソン、資源開発に集中 東燃ゼネ株3割売却、日本事業縮小

2012/1/5付
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米石油最大手エクソンモービルが日本事業を大幅に縮小する。精製子会社東燃ゼネラル石油の株式を東燃ゼネ自体に買い取らせる方向で最終調整に入っており、月内の合意を目指す。エクソンは油田・ガス田開発の「川上分野」に経営資源を集中する一方、石油の消費が減り続けている日本市場には見切りを付ける格好だ。

エクソンは現在、日本で全額出資のエクソンモービル有限会社(東京・港)が事業展開し、東燃ゼネに50.02%出資している。このうち30%超分の株式を東燃ゼネに売却する案を同社や金融機関と検討している。売却額は千数百億~2千億円とみられる。

エクソン有限会社などは4日、「東燃ゼネと日本における資本構成について検討中」との声明を発表した。エクソンは源流企業が1890年代に日本に進出、1世紀以上の歴史を有するが、大幅な事業縮小に入る。「エッソ」「モービル」「ゼネラル」の約4千カ所のガソリンスタンドのブランドは残すものの、販売部門などの売却も進める可能性が高い。

エクソンが日本事業の縮小方針を固めた最大の理由は内需の縮小に歯止めがかからないことだ。英BPの需要分析によると、日本はガソリンなど石油の消費量が過去10年間で2割近く減少。若者の「クルマ離れ」などで自動車保有台数が伸び悩んでいることが大きい。

かたや中国は消費量が倍増。欧米メジャー(国際石油資本)にとって日本市場の魅力は小さくなった。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは昭和シェル石油の筆頭株主だが、2004年から保有株の売却を進め、出資比率は約35%に低下している。

エクソンも日本で04年に傘下のキグナス石油、08年に南西石油を売却。中核企業の東燃ゼネの株式売却などに動くのは時間の問題だった。

一方、投資戦略の「川上シフト」の影響も大きい。エクソンは10年、米天然ガス大手XTOエナジーを410億ドル(約3兆円)で買収。「手堅い会社」で知られるエクソンの積極策と騒がれた。昨年夏には北極海大陸棚などの油田開発を狙い、ロシアの国営石油最大手ロスネフチと提携した。世界のエネルギー需要が増える中、欧米メジャーの成長は、どれだけ優良な油田やガス田を確保できるかにかかっている。

国の信用力を背景に急成長する中国などの新興国メジャーも今や資源争奪のライバルになった。時価総額が4千億ドル超と世界一のエクソンすら川上に投資を集中せざるをえない。11年1~9月期の投資実績は、精製や販売などの「川下分野」向けが19%減の15億ドルだったのに対し、川上へは前年同期比30%増の241億ドルに達している。

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