「東シナ海供給網」台頭 競争の中に新たな商機 産業再興 アジアと共創(1)
中韓→九州 高品質部品、安く調達

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2013/6/9 7:00
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ただ、国境をまたぐ部品調達には課題がある。納期だ。国内調達なら通常1週間。海外からでは梱包や通関、荷ほどきなどに手間がかかり1カ月以上かかる。それでは、完成車・部品メーカーとも在庫リスクが高まる。

その課題を克服する「シームレス物流システム」を、日産自動車が日本通運と組んで日本―韓国間で昨年確立した。記者は韓国から日本までの部品の流れを「追跡」しようと釜山に飛んだ。

■30社の部品集積

記者が釜山の物流拠点を訪れたのは5月29日。折しも新物流システムのスタートを記念する韓国側のイベントが開催されていた。出席していた韓国の部品メーカー幹部は「(我々は)コストと品質で競争力があっても納期が間に合わないため部品を供給できないことがあった。新物流システムを待ち望んでいた」と満面の笑みで語った。

早速、物流の仕組みを見ようと建屋内に足を踏み入れた。時刻は16時。日産の主力商用バン「NV350キャラバン」に組み込まれるマフラーやプレス部品、樹脂部品などがむきだしの状態で並ぶ。伝票には「05/31 06:00」の表記。福岡県苅田町にある日産グループ工場に「2日後の朝6時までに届ける」という意味だ。

韓国の約30社が製造する部品は日通の協力先である現地の物流大手、天一定期貨物自動車が1日がかりで同拠点に集める。訪問時には、これらの部品を3台のフォークリフトが手際よく分担して、日通と天一のトレーラーに積み込んでいた。トレーラーはその後、1時間弱の距離にある釜山港へ向かった。

同日20時過ぎ。記者が一足先に乗船した釜山発博多行きフェリー「ニューかめりあ」の船上から積み荷場に目を凝らすと、日産の部品を積んだ日通と天一のトレーラーを発見。トレーラーはほどなく、狭い港湾内にもかかわらず巧みなハンドルさばきで総トン数1万9千トン以上の巨大フェリーの船腹に消えていった。

22時過ぎに釜山を出港したフェリーは約200キロメートルを夜通し航海、翌30日の6時前には博多港国際ターミナルに接岸した。トレーラーがフェリーから出てきたのは7時過ぎ。その後、約70キロメートル離れた日産グループの九州工場をめざす。

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