「東シナ海供給網」台頭 競争の中に新たな商機 産業再興 アジアと共創(1)
中韓→九州 高品質部品、安く調達

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2013/6/9 7:00
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日本では韓国や中国の企業が台頭すると、すぐに「市場を奪われる」という脅威論が語られる。確かに薄型テレビなどでは韓国サムスン電子が瞬く間に世界市場を席巻し、日本の電機メーカーの影は薄い。だが、力を蓄えたアジア諸国のプレーヤーとの関係は、競争一辺倒ではない。競いつつも、時には共に画期的な製品を創り出し、共に市場を創造する成熟した関係を築けるはずだ。「競争から共創へ」が産業再興のキーワードだ。

世界最大級の貨物量を誇る中国・上海港。自動車部品を満載したコンテナが日本の下関港に向かう。荷主はダイハツ工業。大分工場(中津市)で生産する軽自動車向けに、中国製部品を海上輸送で取り寄せる仕組みを2012年から導入した。

軽は日本独自の規格で市場は国内に限られる。ダイハツの軽の生産拠点は日本にしかない。それでも部品調達網を中国まで伸ばしたのはなぜか。「アジアの部品を使ってコスト競争力を高めないと日本のものづくりは生き残れない」との危機感があったからだ。

世界最大の自動車市場となった中国では、高品質な部品を低価格で供給する部品メーカーが急増している。上海からダイハツの主力生産拠点である大分工場までの直線距離は約850キロメートル。海上輸送すれば「(有力部品各社が集積する)愛知県から陸送するより運送コストを抑えられる」(調達担当の辰巳隆英上級執行役員)。

中国に自社工場を持たないダイハツは現地部品各社との取引がなかったが、11年に調達子会社のダイハツモーター(上海市)を設立。日本への部品供給拡大で、同社の売上高は13年3月期の約20億円から14年3月期には50億円に増える。12年末に発売した軽乗用車「ムーヴ」では中国を中心に4社の海外部品メーカーと新規取引を開始。価格を実質5万円引き下げるのに一役買った。

ダイハツは部品供給網を華北地域まで拡大。今年中に北部にある天津港からも日本への部品出荷を始める予定だ。

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