ニッケル鉱石廃棄物から鉄分回収 住友金属鉱山、比に試験工場
住友金属鉱山は3日、ニッケル鉱石の廃棄物から鉄分を回収する新たな試験工場をフィリピンに建設すると発表した。廃棄物中には3~4割の鉄分が含まれている。新工場で、製鉄用で使う鉄鉱石と同水準の6割程度まで鉄分の比率を高める。鉄鋼原料として販売し新たな収益源にする。廃棄物の処理費削減にもつながる。
フィリピンで今秋に本格稼働する予定のニッケルの中間原料の製錬工場に、鉄分回収のための試験プラントを設ける。投資額は約6億円。来夏にも年間1万トンの鉄鋼原料の生産を始める計画だ。鉄鋼メーカーにサンプルを供給し、事業採算性を検証する。
製錬工場では今秋以降、年間3万トン分のニッケル中間原料を生産し、同380万トンの廃棄物が発生する見通し。廃棄物を有価の資源にすることで、埋め立て費用などの削減にもなるとして事業化をめざす。
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