2017年12月17日(日)

電力供給責任に見る「経営者の根性」
関西財界セミナーの第1回と第50回、いずれもテーマはエネルギー

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2012/3/12 7:00
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 2月9~10日、国立京都国際会館(京都市)で「第50回関西財界セミナー」が開催された。毎年、この時期に関西の経済人が集まって議論しており、今年は節目の50回目だった。今回の統一テーマは「挑戦 日本再興~革新と絆でつくる経済社会~」。だが、隠れたテーマは「電力不足と原子力発電所再稼働の是非」だった。第1~第6の各分科会はそれぞれに討議のテーマを与えられていたが、参加した経営者の多くが、自らの発言機会をエネルギー問題にあてた。

エネルギー問題で議論が白熱した関西財界セミナー第4分科会(2月10日、国立京都国際会館)

エネルギー問題で議論が白熱した関西財界セミナー第4分科会(2月10日、国立京都国際会館)

 シャープの町田勝彦会長は「今のままだと工場だけでなく研究開発拠点まで海外流出する」と述べ、「米国はスプートニクショックを契機にアポロ計画を発動して宇宙開発を進め、科学技術を立て直した。日本も夢のあるプロジェクトを進めねばならない。それは食料分野とエネルギー分野」と続けた。具体的には宇宙太陽光発電、人工光合成、レーザー核融合超電導電力貯蔵などだ。

 現状への危機感は強い。あんなに強かった液晶でさえ六重苦(超円高、高い法人税自由貿易協定の出遅れ、労働規制、厳しい温暖化対策、深刻な電力不足)にあえいでいるからだ。エネルギーについては「既存技術の延長線上では為替と税制の関係で他国に勝てない。シリコンを用いた太陽電池には限界がある」と見切りをつけ、「オール関西の技術を結集し、飛躍的に新しい技術を早く実用化したい」と述べた。「今の原子力と石油に頼っていると文明社会は50~60年先に破壊される」と言い切ると会場がどよめいた。

新しい太陽光発電技術の開発を訴えるシャープの町田勝彦会長(2月10日、国立京都国際会館)

新しい太陽光発電技術の開発を訴えるシャープの町田勝彦会長(2月10日、国立京都国際会館)

 原発と距離を置いたように見えたのは町田会長だけではなかった。日本生命保険の岡本圀衛会長は「これだけ(原発が)止まっても何とかなっている。いけるんじゃないかという素人の考えもあると思う」と語った。日生は大阪市に次ぐ関西電力の第2位株主だけに、発言のインパクトは大きい。

 今冬、需要家に対して10%以上の節電要請を続けている関電の八木誠社長は直後に挙手し、「(何とかなっているのは)昨年よりも気温が高めに推移しているせいで、寒さが続くこれからが正念場。全社をあげて停電回避の努力をしている」と理解を求める一幕もあった。

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