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ソニー、ネット再開へ高い壁 情報流出1億件超か

第3、4の被害懸念 正念場のブランド力

ソニーのインターネット配信サービスへのハッカーの不法侵入問題で、2件目の被害が発生していたことが3日、明らかになった。流出の恐れがある個人情報は合計で1億件超と未曽有の規模に達する。ソニーは月内にサービスを全面的に再開する方針を示しているが、第3、第4の被害発生への懸念もぬぐい切れないなか、先行きの不透明感が高まっている。

ソニーによると、パソコン向けオンラインゲームの米子会社、ソニー・オンラインエンタテインメント(SOE)がハッカーの不法侵入を受けたのは米国時間の4月16~17日。すでに公表済みのプレイステーション・ネットワーク(PSN)などが侵入されたのは同17~19日だった。

同一のハッカーによる犯行かどうかは不明だが、ほぼ同じころ同時多発的に攻撃を仕掛けられていたことになる。

SOEはPSNと似たシステムを使用しており、PSNと同じくソニーが見逃していたソフトの脆弱性を突かれた可能性が高い。ソニーは5月1日に日本で、調査や被害の状況などについて記者会見を開いたが、この時点でSOEの被害は発見できておらず、ハッカー侵入から被害の公表まで2週間以上かかったことになる。

米国ではPSNなどの個人情報流出の恐れを公表するまで約1週間かかったことに批判が高まった。すでに複数の訴訟をおこされているが、SOEでもソニーの対応の遅れに対する批判が強まる可能性がある。

SOEのクレジットカード情報の被害の恐れは1万2700件。過去のクレジットカードの情報漏洩事件などと比べると小規模だが、PSN以外にも攻撃対象が広がっている実態が明らかになった衝撃は大きい。

ソニーが個人情報を扱うサービスには、ゲームや映画、音楽の配信のほか、テレビやパソコンなどデジタル家電のネット販売サイト「ソニーストア」や、日本を中心に手がける金融サービスなどもある。

第3、第4の被害が起きれば、ソニーのシステムの信頼性やブランド力へのダメージは計り知れない。ハッカーに侵入されたシステムのセキュリティーを強化し再発防止に万全を期すだけでなく、他のサービス全般についても安全性や監視体制の再点検を急ぐ必要がある。

ソニーは5月1日の記者会見で、PSNなどのサービスを月内に全面再開させる方針を示した。だが第2のハッカー被害が明らかになり、違法な攻撃を繰り返すサイバーテロの被害を食い止めることが非常に困難な作業であることが浮き彫りになった。

薄型テレビなどデジタル家電の採算低迷に悩むソニーにとって、潜在市場が大きいネット配信サービスは成長に欠かせない事業。だがサービスを再開できたとしても再びハッカーが攻撃をしかけてくる可能性はある。問題がいつ収束するかは見通せない。ソニーは事業の正常化に向け厳しい局面を迎えている。

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