2019年6月26日(水)

教科書、黒板の電子化で変わる教室
ネットのチカラ 第7部 進化するデジタル世代

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2011/7/7付
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学校内のIT(情報技術)化には、大きく2つの取り組みがある。黒板や教科書をデジタル機器で置き換えて情報武装することと、これら機器を正しく使う方法を教育することだ。「読み・書き・そろばん」だった教室の風景は、「読み・書き・IT」へと変わり始めている。

インターネットを活用することで最新情報を授業に取り入れられる(葛飾区立本田小学校)

インターネットを活用することで最新情報を授業に取り入れられる(葛飾区立本田小学校)

デジタル機器の使い方は、東日本大震災で路線変更を迫られた。震災前は、多くの中学・高校が生徒の携帯電話の持ち込みを禁止していた。文部科学省が学校内に携帯電話を持ち込むことを推奨していなかったからだ。

ところが震災直後に、電話がつながりにくくなり家庭への連絡が難しくなったことが状況を一変させた。携帯メールを使った一斉同報が安否確認に効果的であることが判明し,条件付きながら携帯電話の持ち込みを認める学校が増えた。

学校への持ち込みを許可すれば、使い方を指導する必要に迫られる。神戸市にある須磨学園は世界でも珍しい「制服」ならぬ「制携帯」を導入して2年目となる。中学120人、高校240人にKDDI製の携帯電話を配布。中学と高校の機種は異なるが、それぞれは同一機種でそろえた。すべての端末が携帯電話と須磨学園の独自のグループウエア「ファーストクラス」と連動する。

「制携帯」が威力を発揮するのは大雨警報の発令などで、生徒に一斉に情報を配信するときだ。保護者への連絡や修学旅行の成果報告などもグループウエアを通じて配信している。

今後はスマートフォン(高機能携帯電話)の導入を検討している。スマートフォンではウェブサイトの閲覧制限や、不必要なソフトのダウンロード規制は難しいが、西泰子理事長は「閲覧履歴が残るので、抜き打ちでチェックすれば問題ない」としている。

今回の調査でも、子供の1日あたりのIT利用時間が1時間以上と回答した親が4割を超えた。携帯電話のほか、ゲーム機やパソコンなどの利用が生活の一部にしっかり組み込まれている。かつてテレビの視聴時間が長い子供を「テレビっ子」と呼んだが、いまの子供は「ITっ子」になる。

学校のIT化でもうひとつの柱である電子教科書や電子黒板などの導入は進んでいない。総務省などは2010年度に公立小学校10校で全児童にタブレット型パソコンを配布し、実証実験を始めている。だが政府による事業仕分けにより「無駄」とみなされ、規模縮小を余儀なくされた。予算は当初の40%程度の約10億円に抑えられ、本格導入への道は険しくなった。

「子供たちが授業に集中するんですよ。テレビみたいに動画だからでしょうか」。実証実験校となった東京・葛飾区にある区立本田小学校の筒井厚博校長はIT授業の効果に目を見張る。

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