新日鉄釜石、東北電に売電再開 岩手の家庭需要4割分
石炭火力発電が再稼働

新日本製鉄は1日、東日本大震災で被災した釜石製鉄所(岩手県釜石市)の石炭火力発電設備を再稼働させた。発電量は岩手県内の一般家庭の電力需要の4割に相当する13万6千キロワットで、全量を東北電力に供給する。
土日も含めて24時間フル稼働させる方針。夜間の稼働率を落としていた震災前と比べると発電量は約2割増えるという。
発電設備の一部と燃料の石炭の荷揚げ・輸送設備は地震で損傷を受けた。発電設備は震災前から計画していた定期点検と補修を合わせて実施し、6月下旬から試運転を始めていた。
タイヤ補強材などの線材を生産する同製鉄所は敷地も一部冠水し、線材の母材を輸送船から荷揚げする設備も被害を受けた。線材生産は4月13日に再開している。