ソニー「医療機器、2020年に売上高2000億円」
オリンパスとの提携受け社長会見
資本業務提携を決めたソニーとオリンパスは1日、両社社長が共同で都内で記者会見した。ソニーは提携を機に2020年の医療機器売上高を2千億円超に高める目標を表明。12月に新設する内視鏡事業の共同出資会社は20年に売上高600億円以上を目指す。外科手術に使う内視鏡が共同化の対象だが、将来はオリンパスの主力である消化器向け製品でもソニーの技術の活用を検討する。
ソニーの平井一夫社長は「最大の狙いは新規事業に据えるメディカル(医療機器)事業の拡大。共同出資会社を通じて(20年の医療機器売上高の)3分の1を稼ぎたい」と述べた。オリンパスの笹宏行社長は「ソニーが持つ3Dや高精細映像『4K』の技術を取り入れた内視鏡を開発することで、これまで開腹が中心だった大腸や胃などの手術でも内視鏡を使えるようになる」と述べた。
ソニーは手術室で使うモニターなどの医療関連機器を手掛けているが、事業規模はまだ小さい。従来は「中長期的に1千億円」を掲げていたが、オリンパスとの提携を機に目標を上方修正する。
ソニーから取締役1人を受け入れることについて笹オリンパス社長は「モニタリング(経営監視)のために要請があり、了承した。支配目的ではない」とした。
両社が12月に設立する内視鏡事業の共同出資会社は20年に外科用内視鏡でシェア20%超を目指す。笹社長は「消化器向け内視鏡でもソニーの技術を取り入れることを検討する」と語り、協業の範囲拡大を示唆した。
デジタルカメラ事業ではオリンパスのレンズとソニーのセンサーを組み合わせた製品の開発や部材の共同調達など、赤字に陥っているオリンパスの同事業の再建につながる方策を検討する。